Archive for the 「 ビジネスプラン 」 Category

WISH2010に参加

MIT-EFJのコンテストの余熱が覚めやらぬ土曜日、今度はベルサール六本木で行われたWISH2010(クリックすると受賞者やフォトアルバムが閲覧できる)に参加してきた。日本にはいつも短期での滞在なので、このようなイベントに参加することは珍しいのだが、おかげで大変貴重な経験をすることができた。

スケジュールの都合で最初のパネルディスカッションと(お目当てのコニャックとパブーを含む)前半のプレゼンのみを終えた段階で会場を後にしたが、最優秀賞は電子出版関連のパブーだったようだ。
パブーのプレゼンも、なんというか非常に明るい快活なプレゼンだったので、その辺りが評価されたのだろうか。(個人的にはコニャックに一票を投じた。あの手書きのドラえもんの絵がよかった 笑)

会場の参加者のITリテラシーが非常に高かったのが印象的だった。もう一つ記憶に強く残ったのが、最初のパネルディスカッションでのGREE創業者田中社長のコメントについての一コマ。起業当時高くなっていたホスティング料金をクレジットカードのキャッシングを通して支払いしていたというウラ話が披露された際に、司会の徳力氏(主催者のアジャイルメディア)を含め、会場がどよめいた。「あの金利高いやつですよね~、すごい覚悟ですよね」みたいな話だったのだが。。。

起業家にとっては、はっきりいってそんなの当たり前(以前)の話だと思うし、恐らく田中社長はもっともっと苦しい思いをしてきているに違いない、特に競合のMixiとの比較に際しては、100%の人がみんな「もうMixiを抜けないよ」みたいなネガティブな対応をしたという。このように、起業家にとってのハードルは自分のモチベーションをあの手この手で下げようとしてくる周囲の反応だったりすることに、意外と周囲は気づかない。しかし、一度でも本当の意味での起業を経験したことのある人間は、そういう時に決して心ない対応というのはしないものだ。筆者も2003年に最初の会社の立ち上げをして以来、10社以上の立ち上げや経営に携わってきたのだが、正直成功談よりも失敗談のほうが多いもので、なかなか他人には言えないような裏話というものには事欠かない。だが、それを通じて、起業の難しさと意義、そして実際に起業を志している人間に対しての心遣いや正しい接し方というものについての理解を少しずつ深めてこれたように思う。

もう一つ気になったのは、「日本と海外」というあまりにざっくりとしすぎた市場のセグメント分けであり、これはとかくありがちな話だ。(アメリカでもGDCなどでWest (西洋)VS East(東洋)みたいなパネルディスカッションを聞いたことがあるが) もちろん時間の都合などもあるのは理解できるが、このようなざっくりとしたイメージではビジネスでの海外進出というのはおぼつかないのではないか。「欧米」といっても広すぎるし、「アジア」というのも今や広すぎる。アジアには中国と韓国(および台湾、香港など)という極東アジア圏と、マレーシアやシンガポールなどのような東南アジアも含む。人口的にはもちろん極東アジア圏のことを差したいのだろうが、ITベンチャーが中国や韓国に入っていけるかとなると、これは非常に敷居が高いのが現状だろう。最初から海外を視野に入れて、というパネリストのコメントがあったが、筆者はまず「何がやりたいのか」を明確にすることが大事だと思う。自分の事業に対する意識を高めてくれるものは、自分自身の情熱でしかなく、そのためには「自分が想像するだけでワクワクするようなイメージ」をいかに描けるかが重要だ。「日本で一番のシェア」というのが自分の心の琴線に響くなら、それを目指せばいいし、それでは小さいと思うのなら世界を目指せばいい。これは筆者も自分自身に常に言い聞かせていることである。この点で現時点では(あくまでも事業においてだが)「世界で最も愛された日本人作家」というのが筆者にとっては一番感動する目標であり、ノーベル文学賞というのがそのベンチマークの一つとなると考えている。あとは、どうするかを考えながらひたすら前進するだけだ、どこまで行けるかは分からないが前進している限り可能性はどんどん拓けていくはずだ。

夢は人間を大きくしてくれる。

起業家よ大志を抱け! 

8月26日に六本木ヒルズ内のアカデミーヒルズ40で行われたBPCC10の最終審査会では
イデアリスタ社のビジネスプラン「新しい音楽体験を実現するMYTRACKsプラットフォーム」が最優秀賞他複数の賞を受賞して幕を閉じた。

イデアリスタ社のプレゼンは7月のメンタリングキャンプの際から評判がよく、下馬評通りの受賞となった。
今回は残念ながら受賞とはならなかったが、このイベントと翌日のWISH2010で日本のビジネスプランコンテストやプレゼンの雰囲気がよく理解できたので、次回につなげたいと思う。10分のプレゼンを100回以上練習したが、当日の本番(審査会で1回、メインのホールで1回)では練習通りのプレゼンができたので、プレゼンそのものについては悔いはない。また、「敗軍の将は兵を語らず」という言葉があるので、ここでは必要以上のコメントも避けておこう。

当日は予定通りルース駐日米国大使や、SBIホールディングス代表の北尾氏が登壇して起業家に向けて印象的なスピーチをされた。

(ちなみに当日の筆者のプレゼンの様子は翌日のテレビ東京系「ワールドビジネスサテライト」の起業特集にて少し放映されたのでいい記念になった 笑)

8月20日、立入勝義は書き下ろしの「Ning イチから」のシリーズ第一弾「Ning イチから 入門編」を、書籍と電子ブックでWANANN,Inc.(米国ロサンゼルス)より発売予定。(少数だがプリント版も発行する予定)

NingはシリコンバレーのPalo Alto発のIT会社で、簡単にSNSを構築できるサービスを提供している。Ningの公式発表によると、Ningにより構築されたネットワークは全世界で200万を超えており、既存会員は4000万人以上。

Ning社のロゴ

Ning社のロゴ

この「Ning イチから」は意力監修の解説本としては最初の作品で、<入門編>・<基本編>・<応用編>の三部構成となっている。定価は各20ドルと設定されているが、8月10日(米国時間)より入門編を半額の10ドルで先行予約の受付を行う。
これまでNingの解説本はほとんど出版されておらず、この「Ning イチから」シリーズは7月20日の新料金体系以降後、世界で初めて販売される「Ning本」である。

SAKURA Internet USA, IncではNingの構築支援サービスも手がけており、これまで20以上のNingネットワークを構築してきた。
本シリーズでは、これらのネットワーク構築から得られたNingの徹底活用方法を、実例と画像、構築例をふんだんに取り入れたレイアウトで紹介している。
入門編はNing初心者向けのサービス紹介、基本編では実際にNingネットワークを構築するための手順や注意点、活用方法など、そして応用編ではこれまであまり語られてこなかったNingを活用した収益モデルの構築についての具体的な例やアドバイスを詳細に行っている。

同書の内容は下記の通り

Ning イチから <目次>

Ningとは 5
Ningの概観 7
Ningの歴史 12
<大規模な方針転換> 12
<新料金プランの導入> 12
料金プランについて 14
従来のプラン(旧プラン) 15
<新プランについて> 17
1. Ning Mini 17
2. Ning Plus 17
3. Ning Pro 18
新料金プランの詳細比較表 19
あなたにお勧めの料金プランは? 20
Ningタイプ別フローチャート 21
SNSとは 22
Ningでできること 26
他のSNSとの違い 46
Ning上にあるお気に入りのネットワークを探してみよう 48
Ningの特色 52
サインアップとサインイン 60
コラム1 64
コラム2 65
コラム3 66
コラム4 67
コラム5 68
コラム6 69
コラム7 70
コラム8 71
ネットワークに参加してみよう 72
基本編について 78
応用編について 80
クレジット 82
発行元: Wanann, Inc.
著者: 立入勝義

今すぐ予約する方はこちら↓ (発送は発売日に先着順にお送りします)


アメリカでKindleが注目され始めて、電子出版に関してまずは個人的に具体的なリサーチを開始して方針策定に時間を費やした。それから実際に筆者が運営するLMDPがKindle Storeでコンテンツを売り始めたは2009年の6月からだった。それからもうすぐ1年が経とうとしている(注:執筆時点)が、電子出版を取り巻く趨勢は一変したと言っていい。その間Kindle Storeでは当社のコンテンツが並び続け、少しずつではあるが売れ続けた。この章では実際に何が行われ、アマゾンとどういうやり取りが行われたのかという筆者なりの「激闘」の様子の一部をお伝えしたいと思う。

まずKindle Storeではインディーズ出版社でも(ISBNをもたない)オリジナルの電子出版コンテンツが発売できることに気づいた私は、何を売るのが短・中・長期それぞれの期間において有益かということを徹底的に試行錯誤した。その末に行き着いた結論はオリジナルコンテンツを作ることと、日本語のパブリックドメインの文学作品を販売することだった。目的はKindle Storeで販売しうるコンテンツの「質と数量」を見極めたかったからだ。古典文学作品の中では、筆者が敬愛する芥川龍之介と夏目漱石にまずは比重を置いた。そして、後に女性文学者を追加しようということで与謝野晶子作品に手をつけた。(後にアマゾンとのトラブルが発生して、一部の与謝野作品は結局アップしたのにも関わらずアマゾン側の「検閲」を通過せず未だに陽の目を浴びていない)そして、オリジナルのコンテンツについてはとっかかりで作りやすいものということで、日本語学習コンテンツを提供することを思いついた。筆者にとって気がかりだったのはアマゾンの返品のルールであり、レビューのシステムだった。

あまりにつまらない作品を世に出しても、とんでもない評価を最初につけられてしまうと元も子もなく、次に続かない。実際に一番最初に考え出したコンテンツは当社のデザイナーが突発的に作り上げた「ひらがな・カタカナ表」だったが後に酷評されてしまい、それからの売り上げは大きく伸びなかった。(しかし価格が安かったので最初の頃はそれでも当社の他の作品よりも売れていたくらいだ)学習コンテンツであれば1週間はキープするだろうと考えた。そして、やるからには自分がクオリティを保証できるものがいいということで、まずは初級者用の日本語学習コンテンツをつくろうとあいなったわけだ。

しかしここでは大きな前提条件があった。日本語のコンテンツが出版できること。ということである。ここで、筆者はアマゾンの規約を詳しく読んでみたがそこにはどこにも出版コンテンツに対して言語を規制するような記述はなかった。(後にこの方針は変更されることになる)AppleのApp Storeの例を見ても明らかだが、このような新規のB2Cのプラットフォーム上においては、ユーザーを獲得すると同時にコンテンツを潤沢に提供してくれるサードパーティ(この場合は出版社、App Storeの場合はデベロッパー)の存在が不可欠だ。筆者はアマゾンはここをもちろん理解していて、サードパーティが儲けられるような仕組みを構築することでKindle Storeを盛り上げKindleの売り上げを増やすことを考えているに違いないと踏んだ。 読みは当たるのか? 続きはコチラ

オンラインゲームの課金は大別してサブスクリプションと呼ばれる定額制課金モデルと、アバターやアイテムの購入などでちょっとずつ課金が成されるマイクロトランザクションモデルと呼ばれるモデルの二つに分かれる。通常のMMORPGではまずユーザーはゲームソフトを小売店あるいはオンラインで買い求め、それを自身のマシンにインストールする。時には数GB というような莫大なサイズになるソフトは「ゲームクライアント」と呼ばれ、これをインストールした後にインターネットを通じてデータがアップデートされる。ユーザーは月に数十ドル(あるいは数千円)という金額を支払い、自身のアカウントを維持する。時にはゲームを有利に進めるため、あるいはより楽しみたいために複数のアカウントを所持する者もいるほどだ。しかしである、このモデルはシリアスゲーマーとう限られたパイを狙った過当競争により現在非常に成立しがたくなってきている。ここには人間にとっての普遍的な二つの制約要素の存在がある。それは時間と場所、である。実際にはこれに予算という相対的な三つ目の制約要素が加わり、消費者はこれらの許す範囲内でゲームをプレイすることになる。では実際に市場で何が起こったのだろうか。

実はシリアスゲームの市場を脅かしたのは、同じシリアスゲーム内の競合作品ばかりではなく、カジュアルゲームの台頭だったのである。これは先ほど述べた三つの制約条件を考えた際にカジュアルゲームのほうが遥かに有利だったからである。下記にカジュアルゲームの利点を簡単に述べてみよう。

<カジュアルゲームの利点>
iPhoneやiPodTouch、あるいは低スペックのコンピュータでも動く敷居の低さ
時間と場所を選ばずに携帯端末からプレイできること
ゲーム単価が非常に安い
マイクロ課金のほうが必要に応じて支払えるため固定費削減につながる
多くのゲームを並行して自分のペースで進めることが可能

これに対してMMORPGやFPSはシリアスにプレイしようとするとどうしてもチームでのプレイが必要となってくるので、ゲームというよりはリアルのサバイバルゲームに近い状態になってくる。大きな違いはみんなが集合する場所が現実の地図上の場所ではなく、バーチャルリアリティの世界であるということだけだ。チームプレイをするからにはメンバーが必要で、必然的に同じメンバーが毎日決まった時間に示し合わせてプレイするなどということが恒常的に行われるようになる。これは敷居が高いし、先行者利益が発生することも多いので後から参加する者にとっての心理障壁はどんどん高くなる。またチームでプレイすることから、チーム単位でゲームを乗り換えるということも頻繁に発生しており、ゲームパブリッシャーはゲームを楽しく導いてくれて活気をもたらしてくれる熱心なゲーマーを囲い込むのに躍起になっている。そのため宣伝にかかる費用もハリウッド映画並みの規模になってくるのだが、実際にどれだけのタイトルがコストを回収できたのかというと、恐らく片手で足りるほどしかないのではないだろうか。

そもそもゲームを取り巻く環境はこの20年間で本当に大きく様変わりしており、過去の常識が現在に通用しなくなることが多い。別の言い方をすればそれだけゲーマーという存在が流行に敏感であるということだから、ゲーム業界にいる者は必然的に顧客であるゲーマーの心理を理解することに血道を注いでいる。つまり、ゲーム業界にいる者の多くはゲーマーだということであり、これには経営陣とて例外ではない。実際に全社でゲームプレイを行うイベントなどを開催している会社も多い。こういう活動を通じて社内のビジョンを統一して、興奮を共有するのである。正しくこれらが実践されると経営者と最前線にいる開発者やQC(品質管理)、CS(顧客サポート)担当との間の心理的軋轢も少なくなるだろうことは容易に想像できる。では、出版業界においてこれは同じように機能しているだろうか。少なくとも電子出版において現時点で機能しているとは到底思えない。つまりそれだけ、日本の電子出版市場においてキャスティングボードを握っている人たちと市場の生の声の間に開きがあるということだ。それでは正しくビジネスが成り立つ訳がないことは子供にでも分かることだ、というかむしろ素直で流行に敏感な子供たちのほうが正しくビジネスを理解できるような時代になってきているのかも知れない。 続きはコチラ

移行してみました。すぐに分かるのはトップ画面の違い。

導入直後ということで数字がうまく反映されていないようだが。。。

Ning Plus移行後の管理トップ画面

Ning Plus移行後の管理トップ画面

アクティブなメンバーや人気コンテンツの動向をチェックできるようになっているようだ。

メンバーのコントロールについてはコチラにリンクが貼られている。(残念ながら和文なし)

あと、サポートについてのメニューが追加された。(落書きしてみた。このへんがMSペイントの限界か だって軽いんだもん)

サポート画面

サポート画面

まさにシンプルそのもののインターフェース、ところで「日本語での質問に対応しているのだろうか!?」
(続く)

これまでは、門外漢の立場から電子出版と既存の出版業界の関わりについての意見を述べてきたのだが、勿論出版業界にも素晴らしい功績があるわけで、それらを一気に否定する必要もないし、出版業界の中にいる素晴らしい人材と彼らの経験がなければこれから電子出版市場自体が成立しなくなる危惧もあるはず。先日「誰が電子出版を殺すのか?」というエントリーを書いたらあちこちで反響があったようだが、これは何も出版業界そのものに引導を渡している訳ではないし、私にそんな権利があるとは到底思えない。中抜きでなくなるべきは構造的に不要となった「ミドルマン」であって、「中身」ではない。

というわけで、今回は少し外からみた観点での出版業界の良い点を書いてみたいと思う。

まず、第一に出版業界には「活字」や「知識・教養」といったものについての能力やこだわりが尋常ではない人たちが溢れている。今ではもちろんコンピュータでも校正作業ができるわけで、昔に比べればその需要は減ってきた(でも逆に最近はコストカットのせいか、紙出版物でも以前見なかった誤字や脱字を多くみかけるような気がする)のかも知れないが、実際に書き物をしている立場からすると彼らの意見や知識は確実に参考になる。校閲作業なんかは事実の検証などをきっちり行っていくわけで、所詮ネットでの調べ物くらいしか頼ることのできない(私のような)にわかブロガーでは到底太刀打ちできないような知識のインベントリーをもっているし、漢字や修辞にも詳しい。彼らにとっては当たり前なんだろうが、これは素晴らしいことだ。(最近では日本にいる編集チームと会って、本筋の話の合間に歴史や文学の話をするのが楽しみなくらいだ)大体メールのやりとりがスムーズなのが助かる(笑)
若者を中心に起こっていると言われている、いわゆる「活字離れ」は要は国語(あるいは元々日本語がもつ美しさの部分)に対するこだわりの部分が希薄化しているということが一つだと思うが、出版業界はそれを頑なに守っている人たちだ)国語人間の私としてはただ賞賛するばかりである。

次に、彼らはそもそも出版をビジネスと割りきっていない節がある。かと言って、よく使われるような「慈善事業」をやっている認識でもない。傍から見ると彼らは「文化事業」の旗手であり、文学はどこまでいっても商売のタネというよりは「芸術」なのだろう。この観点があるから作家は救われる。数カ月、時には数年もかかって書き上げるような作品は費用対効果を考えてできるものではない。私のレベルですら、例えば「このブログを書くのに20分以内だと黒字だが、30分以上かけると赤字になるだけだ」などの損益分岐を考えていたらとてもじゃないが(特に創作系の)執筆なんてできない。(もちろん通常の作家にあるような締切りというのはニュース性を重んじるソーシャルメディアでは重要な訳だからそういうプレッシャーはある)文壇バーとかいう言葉があるが、(作家のような)芸術家はつねにパトロンに支えてもらって成り立ってきた。これはファインアートの世界を見ても明らかな通りだ。電子出版と声高に叫んでも、このような存在がいない限り、ほとんどの作家は作品を作り続けることができない。というか、むしろ新人なんて生まれることさえなくなってしまう可能性もある。ダイヤの原石を磨き上げる仕事をしてきたのは編集者であり、時折でてくるミラクルヒットで過去の打率を一気に帳消しできる可能性を知っているし、そういう存在が輝くきっかけをつくることに生きがいを感じている方々も多いだろう。この点で出版社の編集チームはある意味ベンチャー起業でいうところのVCみたいなものといってもいいのかも知れない。(費用対効果を考えずにただ可能性を信じて投入してくれるのだから、支援を受ける方としては有り難い)また彼らはとにかく「気が長い」ように見える。膨大な数の作品に目を通して、あぁでもないこうでもないと試行錯誤を繰り返してきたのだから当然なのかも知れないが、どちらかというせっかちな私は感嘆を禁じ得ない。 続きはコチラ

誰が電子出版を殺すのか?

挑発的なエントリータイトルになってしまったが、こういう内容を最近よく考えるようになった。なので久しぶりにまともに電子出版について語りたいと思う。

というのも、まだまだ本質的な部分での電子出版に関するディスカッションがなされていないし、成功するようなビジネスモデルも打ち立てられていないからだ。
このままいくと、しばらくしたら「やはり電子出版は儲からない」というなんだかとっても的を射たように聞こえてしまうフレーズがあちこちで聞かれるようになるだろう。(今よりもっと、という意味で)そしたら笑う人々がそこにはいるわけで。

これを理解するのにカギになるポイントが二つあると思う。
一つはそもそもこれまでの出版業界についての反省がなされていないこと。ビジネスモデルの検証すらできていないのではないだろうか。あてずっぽうのように「勘」と「経験」に頼った作品づくりを続け、一作品あたりの費用対効果など考えず、ただ上が決定したものをひたすらつくりあげるだけで給料をもらっていた雇われ編集者やその他従業員。完全なる大手依存がそこにあったようにしか思えない。そんな人達が大挙して電子出版業界にやってきても、はっきりいって構図は何も変わらない。電子出版は本質的に「中抜き」構造の上に成り立つものであり、「抜かれる」のはそういう人たちだ。だから電子出版での「中抜き」といってすぐに取次ぎや出版社を連想するのは間違いだと思う。「中抜き」されるのはラベルではなく、そういう「存在」そのものなわけで。逆に取次にいたとしても、日本の出版業界の未来、ひいては日本の未来について真摯に臨む人はそのまま自分の場所をみつけるだろう。そうでなくてはいけない。

もう一つはマーケティングができていないことだ。(もっともこれ自体が出版業界が抱えていた大きな問題だったように思うのだが)書店で本を買うというのは万人が取れる行動だ、つまりそれだけ生活習慣として時間をかけて浸透してきたということだ。本を買うのを子供に教えるのは多くの場合、お金を出す親だろう。学校の先生かも知れない。しかし電子出版ではここの構図がまったく当てはまらない。ちょうど新ポータル兼電子コンテンツ販売サイトをもうすぐ立ち上げるということで、自身のスタンスをどんどん明確にしていくべきタイミングにあると思っていて、この辺をいくつかのエントリーでもう少し整理していきたいと考えている。

電子出版のマーケティングは既存書籍とまったく異なると言っていい。これは何故か?一重に、「顧客層が極度に限定されているから」だ。もちろんこれはこれからドンドン変わっていくだろう。そこで一つ出版業界の方々に聞きたい。

「みなさんは、どの本をどういう人が買っていったかということについて、どれくらい正確に把握されてるんですか?そしてその精度とは?根拠は?」

私は出版業界にいたことが全くないので、完全に誤解しているのかも知れないが、これを正確にしる方法がそもそも存在してたのか?(テレビの視聴率もそうだけど、あちらは端末そのものが行動履歴型の判断をできる対象となるという点で大きく異なる)もちろん、私は出版業界にいたわけではないが、小さい頃から本の虫だったので、これまでに莫大なお金を書籍に費やしている。で、誰かが私がその本を買ったという事実を知る術があったのか、というと買っている側からすると「無い」と言わざるを得ない。だって誰にも情報を伝えてないんだから。(あの忙しい会計現場でPOSで全部集計してるとは到底思えない)

つまり、電子出版について非難がでてくるとすれば、それは本当に電子出版に限ったことなのか、それとも「出版業界」そのものについてのディスカッションなのかを突き止める必要がある。特に既存の出版業界から電子出版に対して批判が出るとしたら、それこそヤブヘビだ。電子の怖いところはその全てがデータとして現れ記録に残ることである。つまり「中抜き」される対象がどんどん明確になっていく。電子出版の誕生を疎み、殺しにかかる存在がいるとしたらそういう部分でこれまで「闇」に隠れて特をしていた存在だと思う。それは誰なのか?

マーケティング分析をする際にはまずは対象を定めなければならない。電子出版で本を買っている「限定された顧客」とは誰なのか、どういう風に変わっていくのか。簡単にいうとキンドルストアで売られているコンテンツを買っていく人の大半はやはりキンドルをもっている人のはずだ。これがKindle for iPad あるいはKindle for iPhone へと比重を移していくのかどうかということは現在進行形なので誰にも分からない。この点でいくと、現時点で電子出版化してもまったく売れないコンテンツというのが多数存在するわけだ。そのコンテンツというのはもちろん「電子出版から一番遠い人たち」を対象にしたコンテンツで、端的に言うとシニア層や婦人層、そして幼児向けのコンテンツだろう。そして、まともなコンテンツを作ったからといっても、顧客の目に止まらなければ意味がない。この点で、現時点では日本人向けに作られた万能電子コンテンツ検索ポータル、みたいなものは存在していないと言っていい。(実はHon.jp がかなり近いことをやっているのだが、知らない人が多数だろうからこれはまだ不可視に近い状態だ)欧米ではアマゾンがこれを果たしており、B&NやSONYが追撃する形になっている。すでに書籍のタイトルでは100万以上の数字で競い合うような状態だ。

つまり、電子コンテンツの販売においてはやはり従来のマーケティング手法と全く同じように下記のセグメントをしっかり分析するしかない。

1 対象顧客(既存と潜在)
2 宣伝手法
3 コンテンツ
4 プラットフォーム

これらを全部兼ね備えていないと機能しないのが電子出版の難しいところであり、現時点では1の対象顧客がとんでもなく限定された状態だから余計に難しい。よって、日本の大手出版社は「とりあえず様子をみる」という態度に出るところも多いのだが、これはある意味仕方のない選択肢なのだ。所帯が大きすぎて、船を一気に一部に傾けることは沈没事故につながるからだ。そして、肝心の市場規模がまだまだ小さい上に、アダルトと携帯、そしてマンガに極度に偏っている。そして、肝心の作家が全然事態についてこれていない。これは致命的だ。だから某大手出版社の談にあるように、本格的な立ち上がりまでにはあと4、5年かかるみたいな見解がでるわけだ。(でもこれは逆にいうと腹はくくっているってことで)

先日もまとめてツイートしたのだが、電子出版を巡っては、埋める必要のある「ギャップ」が本当に多い。一番大きなものが「海外」と「日本」、そして「アナログ」と「デジタル」の壁、それ以外にも「端末」と「非端末」、世代や男女差など、市場として受け入れられるにはあまりにも新しい。携帯電話や電子メールも同じように難しかったと思うのだが、それらは基本C2Cで隆盛を誇ってきたものであり、電子出版はB2Cのマーケットである。(BはAuthorかも知れないが)なので、トレンドセッター的な人がいて周りにどんどん啓蒙していってくれる、みたいな状態にはなかなかならない。口コミで本を買ってた時の10分の1ほどにも影響力がないのではないか。

つまりマーケティングは「一から」やり直しである。そして、これまで端末非依存型の電子出版業を営んできた方々もある意味やり直しとなる。(もちろん先行者としてのアドバンテージはあるだろうが、携帯用と電子ブックリーダー用ではまるっきり異なる点が多いので、逆に経験が仇になる場合もある)肝心なのは、日本として電子出版をどこにもっていきたいのか、だ。そしてそれを一番よく知ってるのは消費者だ。今の電子出版を巡るディスカッションで欠落しがちなのは「ビジョン」である。ソフトバンクの孫氏なんかが(別の話だとしても)掲げているような、とてつもなく大きなビジョンをまずは日本全体が受け入れていけるようになるしかあるまい。そうしながら業界関係者全体で電子出版市場を育成していくわけだが、じゃー電書協のビジョンが何かというと、それが見えてこない。このままいくと、従来の手法通りに、「売れた本」からアトヅケで売れた理由を分析して「二匹目、三匹目のドジョウ」を狙うという考え方でしかコンテンツができていかない。だから、要は大手は「ミリオンセラーが出るのか?」というところしか見ていないという言い方ができるわけだ。現時点で電子出版の未来を握っているのは、この「ミリオンセラー・コンテンツ」である。それが可能となったらすぐに話は進むだろう。(実際には書籍の時のミリオンと電子出版のミリオンとはまた意味が違うんだが、規模としては一つの目安となるだろう)

でも一つ問題がある。それは電子出版においては「ミリオンセラー」というのは自己申告にしか成り得ないということだ。これは見過ごされがちだが、大きなポイントだ。カートリッジ式のゲームの売上は流通経由で簡単に把握できるが、オンラインゲームのサブスクリプション(課金)に関しては自己申告以外にモノサシがなく、結果多くのゲーム会社が判断を見誤ることになった。これとまったく同じことが出版業界でも起こっていくだろう。だから、例えば電書協、ひいては日本という国が施策として行うならば電子コンテンツの売上を公正に管理するいわば電子コンテンツの「公正取引委員会」みたいなものを設立するのも一案である。そこにオリジナルの電子書籍コードをもとに書籍とその売上を登録できるようにする。そして、各業者が不正を行わないように管理するといううものだ。そうすれば、オリコンみたいに、電子本の売上ランキングが全国に知れ渡ることになり、それは作家にとっても大きな刺激となるだろう。そしたら今度は価格の問題がでてくる。すでにiPhoneのApp Storeででてきたように、無料のコンテンツと有料のコンテンツでは売上に雲泥の差がある。

こういう風に電子出版を巡っては、まだまだ議論されるべき内容が本当に多くあるにも関わらず、本質的な部分が見過ごされたまま話が先に進んでいっているようで、筆者の中での危機感は日増しに募る一方である。縦書きと横書きにどこまでこだわるのか。。。誰がワード文書を今時縦書きで書いてるというのか。多くのディスカッションは読者を置き去りにした形で進行しており、それこそが電子出版を殺すものである。電子出版で「中抜き」されるべき存在は、すでに市場には必要となくなっている存在で、いわば「自然淘汰」であるからそれは社会的に必要なこととして理解されるべきで、それらが白日のもとに晒されない限り結局電子出版は殺されてしまう。誰が電子出版を殺すのか?

アマゾンが本日キンドルの値段をこれまでの$259.00から$189.00に値下げすることを発表した。

電子書籍リーダー端末ではシェアトップを走るキンドルの大幅な値下げはアメリカでも大きな話題になり、各メディアが大きく取り上げた。
下記はHothardware の記事 

Amazon Lowers Kindle Price To $189 To Battle NOOK And iPad

大幅な値下げとなったキンドル2

大幅な値下げとなったキンドル2

筆者の周りではキンドルの価格上のマジックプライスとしては199ドルを上げる方が多かったが、この価格を下回ったことになる。今回はもちろんiPadなどの動きを牽制してのことだろうが、競合のNookや今後でてくるであろうタブレット機に対してこの価格戦略が功を奏することになるだろうか。(もちろん安いのは良い事だが)

iBooksよりも遥かに早く書棚型GUIを使ったサービスを提供してきていたペーパーボーイの家入氏運営のブクログが、この度電子出版関連のソリューションを提供するという発表があった。その名も「パブー

筆者は長年このブクログを愛用してきているので、PR支援の一環として、ブクログユーザーに送られてきたプレスリリースの内容を転載したいと思う。
IT業界ならではのソリューションに期待したいところだ。

━…━━…━━…━━…━━…━━…━━…━━…━━…━━…━━…━…━
電子書籍作成・販売プラットフォーム『ブクログのパブー』リリース!
━…━━…━━…━━…━━…━━…━━…━━…━━…━━…━━…━…━

こんにちは。ウェブ本棚サービス・ブクログです。

先日絵本で告知をしておりました、ブクログの新サービス『パブー』を公開
しました。『パブー』は電子書籍の作成・販売ができるワクワクなサービスです。

■電子書籍の作成・公開・販売がすべてオンラインで完結!

特別なソフトや知識もなく、ブログを更新するような手軽な感覚で、
本を作成することができます。作成は全て【無料】です。販売も
販売金額や試し読みページを設定してするだけ。とっても簡単です。

■ePub、PDF変換でiPad・Kindleなどで閲覧可能

『パブー』で作成された作品は、『パブー』サイト上での公開に加え、
電子書籍フォーマットePubとPDF形式に自動変換されるため、閲覧者は
iPadやAmazon Kindleなどの電子書籍リーダーや、iPhoneなどのスマート
フォンで閲覧することができます。

■あなたも編集者に!?みんなで名作を生み出しましょう!

パブーでは、ページ毎に公開ができ、読者はページ毎にコメントをつけ
たり、しおりを挟んだりすることができます。ここ間違ってるよ、もう
ちょっとこういう展開だったらいいのに・・・と読者のみなさんが、ちょっ
とした”編集者”になって、一緒に作品を完成することができます。 

■注文の多い料理店・青空ファインダー/うめ も読めるよ!

パブーでは、青空文庫とも今後連携したいと考えております。まずは、
人気の高い「注文の多い料理店」や「舞姫」などを無料で読めるよう
ご用意しています。他にも、東京トイボックスのうめさんの漫画も
今なら【無料】で読むことができます!

■ブクログIDでご利用可能!

『パブー』はブクログIDでご利用頂くことができますので、ブクログID
をお持ちの皆様は、今すぐ本をつくったり、読んだりできます!

これまでは、敷居の高かった”出版”という文化を、ウェブならではの強みを
もって、もっと沢山の人が楽しめるものにしていけるよう進化していきたい
と考えております。

ぜひ『パブー』で本をつくったり、読んだりしてみてくださいね。

▼電子書籍作成・販売プラットフォーム『ブクログのパブー』
http://p.booklog.jp/

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