9 5月 2010
誰にでも母親はいる。うぃる爺のような年になっても、母親の存在というのは忘れられないものだ。何しろ自分に生命を与えてくれた人物である。今日は母の日だった。いつものように東京の街を徘徊していたうぃる爺も今日は少しいつもとは違うことを考えていた。そう、今風に言えばシングルマザーでうぃる爺と一つ違いの弟の兄弟二人を汗水垂らしながら働き育ててくれた、強くて優しい母のことを。その手にはどこかからか摘んできた、母の愛したひまわりの花があった。
普段とは少し違ったあまり雑踏のない、閑静な住宅地を歩いていると、目の前に陸橋がでてきた。下にはJRの線路が走っている。ふと朝焼けに目を凝らすと、こんな朝の早くから一人の男が橋の下を眺めながらため息をついている。この橋は自殺の名所だったことをうぃる爺が知る由もない。
うぃる爺はそっとその男の後ろに回り込んで声を掛けた。
「何しとんねん?」
男は突然声をかけられてびっくりして、思わず橋から落ちそうになった。
「ぎゃぁ、死ぬところだった。あぁ、でも死のうとしてたんだったか」
それを聞いたうぃる爺の大きな丸い目が一際大きくなった。
「死ぬやと?」
男は自分の身上をこのホームレスみたいな身寄りの老人に話し始めた。男は売れない漫画家だった。同人時代には少し名が売れていたのだが、その時にいい気になって大手で連載をもたせてもらったが最後、同人の世界には戻れなくなっていた。案の定、待望の初連載も長く続かなかった。最近では友達の同人作家のイラストを手伝ったり、近くのコンビニでバイトしたりして何とか食いつないでいた。バイトをすればお金になるが、その分考え方も何だか狭くなるような気がしていた。創作をしようにも、面白いアイデアが湧いてこず、社会の悪い部分ばかり見えてくるようで、またちょっとした給料で食いつないでいる自分にはもう大きな夢が見られないように思い始めていた。マンガの路線を変えようにも、これまで描いてきた画風を一気に変えることもできず、またどう変えたらいいのかも分からなかった。画力にはそれなりに自信があったが、中身がなかった。コンテンツは彼の人間自身としての中身そのものである、しかし男にはそれがなかった。かといって、大手雑誌で連載をもっていた頃のプライドだけが小さくくすぶっていて、何かにつけ邪魔をするのであった。
ひとしきり男のいうことに耳を傾けていたうぃる爺が口を開いた。
「おまえ、電子出版て聞いたことあるか?」
男は言った
「えぇ、噂だけは。実は気にはなっているんですが、どうしたらいいのかまったく分からないんです。直接販売したりすることもできるそうですね、でも僕にはお金がないので端末も買えないし。キンドルとか何とかいう端末を使って読むんですよね」
爺は首を横に振った。
「電子出版の道は端末のみにあらず、や。しかし、なんでそうなんでもかんでも最初から悪い方にばかり考えて結論だしたがるんかのぉ。」
うぃる爺はどうにも解せない様子だった。
「どうや、お前も電子出版で一旗あげてみぃひんか?」
男は言った
「でも、僕はパソコンは使えても、パソコンで絵が描けないんです。それに電子出版なんて、どうやって売り込んだらいいのかさっぱり。。。」男はとにかく自信がなかった。
うぃる爺はいきなり声を上げて、男に喝を入れた
「あほか!そんなもん最初は誰もわからんのじゃ、分からんから学ぶんや、違うか?自分で考えても分からんかったら、分かってるやつに聞けばええ。それが分からんかったら探すんや。お前には向上心いうものがないんか!?」
こんなみすぼらしい老人にいきなり声を上げられて男は少し自尊心を取り戻したようだった。
「そんな、僕にも向上心はあります。ちょっと自信がないだけで。でも大体電子出版て流行るんですか?日本では難しいんじゃないですかね?それに僕は紙が好きなんです。紙の匂い、手触り、やっぱり本て独特なものだと思うんですけども。紙が無くなるなんて。。。」
うぃる爺は今度は諭すように話しかけた
「そうか。紙に愛着があるんか。それはわしも同じことや、リアルにはリアルの、バーチャルにはバーチャルのええ所がある。そやろ?別にどっちか選べ、いうとるわけやない。食えるようになったらまた紙やったらええがな、一緒にやってもええ。なんでも二者択一にしてまう必要はないんや」
うぃる爺は手に持ったひまわりの花を眺めながら言った
「紙の歴史はタラス河畔の戦いに由来しとるんやったな、お前も歴史で習ったやろ?唐がイスラム軍と戦ったっちゅうやつや。8世紀くらいやったかな。それで西洋に一気に普及したらしいな。でもな、それよりももっと前にもこんな花は咲いとったやろう?」
男は爺さんの言ってることがよく理解できなかった。
「そりゃ、もちろん、花はもっと大昔からあったでしょう」
白髪の老人は頷いて言った
「そやな、でもこの花は昔どっかにあった花とは違う。種類も変わっとるかも知れん。形有るものは全て滅びる、よぉそういうやろ」
男は頷くしかなかった。当然のことだった。そういう自分はつい先程まで寿命がくる前に自らの命を絶とうとしていたのだった。もちろん自分にそんな勇気があるのかさえ、分からなかった。所詮自分は世にゴマンといる売れない漫画家だ、それ以外の何者でもない。そういう被害者意識が彼の脳内には深く根を下ろしていたので自分でもどうしようもなかった。
うぃる爺は男の目前に花を見せて唐突に言い放った。
「どやこの花、きれいや思わんか?」 うぃる爺の意図は?続きはコチラ
8 5月 2010
今朝の東京は5月というのに朝からなんだか蒸し暑かった。まるでこれから始まる一日を象徴しているかのようだ。
朝方ゴミを漁るように、こちらからあちらへと落ち着かずに移動していたうぃる爺はマックでお気に入りのコーラを買って、窓際の席でそれをぐいと飲み干した。店内に座ると目立つのだが、それは彼の足がすごい勢いで貧乏揺すりを続けているからでもあった。見た目はホームレスさながらだったが、実は服はそんなに汚れているわけでもないので時折選択はしているようだ。風呂にもたまには入っているのだろうか。
朝7時の東京都内のファーストフード店や喫茶店にはサラリーマンやOLが多い。彼らは自分たちの生活を時間通りにきっちりコントロールすることに何よりの喜びを見出しており、デビッド・アレンのGTD(Get Things Done)と言った本を読んで毎日の作業の効率を高め生産的な日々を過ごすことを誇りとしている。そんな彼らの目にはうぃる爺はただの薄汚いオヤジである。彼の前を通り過ぎる者たちの視線にはうっすらとした冷笑や、なかにはあからさまに軽蔑の視線を投げかけるものもいる。だがうぃる爺は一向に気にしない。
やがて、窓際のスツールに腰をかけて朝の忙しい表通りを眺めながらコーラを飲んでいたうぃる爺の隣に、きっちりとしたピンクのスーツを鮮やかに着こなし、知性的なメガネをかけた女性が座った。どうやら店内が混雑してきたので、他に席がなかったようだ。
うぃる爺はしばらくその女を観察していた。女はまったく気づかない振りをしつつも、何か自分の威厳を保とうと必死になっているっぽかった。
女は手持ちのカバンの中からキンドルと呼ばれる電子端末を取り出した。それを見たうぃる爺の目は輝き始めた。どうやら女はそのキンドルで、英語の洋書などを読んでいるらしい、WSJなどという言葉が表紙にでたりすることもあるので英字新聞を読んでいるのかも知れない。
うぃる爺は女に話しかけた 「ちょっと訊きたいんやが、どやその端末は使い易いか?キンドルとかいうんやろ?」
女は怪訝そうな顔をしながらも、このホームレスような老人が今流行りのキンドルという単語を知っていたのに少し驚いた。時代に敏感と言われる彼女もつい最近アマゾンというオンライン書店で購入したばかりだと言うのに。少しためらいながらも 「えぇ、とっても使い易いわ。何より読みたいときに読みたいものが読めて、安いし。英語圏の情報を手に入れるのにはもってこいよね。私、よく本を書くの。だからたくさん資料を集めないと、しかも効率的に、ね」そう言いながらちらっと時計をみた。あと10分45秒でこの場を去り、オフィスに向かう必要がある。だが、その前に日課としている読書をしなければならない。こんな老人の相手をしている必要があるだろうか。
「そのうちみんなそういう端末を持つようになるんやろうな、携帯電話みたいに」うぃる爺は続いて尋ねた。
女性は何だか自分らしい主張をしないと気が済まないという感じになったようで、こう言った 「いえ、私はそうは思いませんわ。こういうのはインテリとかビジネスマンとか、情報に対価を支払うことで良質な情報を手に入れる必要がある者だけが持つようになればじゅうぶん。年収300万円じゃ、不可分所得が無くてこういう端末を買うことに意識がいかないんです。みんな自分の楽しみばかり追いかけて、結果的には非生産的な人生を過ごすことになるのよね、バカみたい」 女はとにかく非効率とか非生産的というのが大嫌いみたいだった。
うぃる爺は首をかしげながら言った 「なんだか、論理が飛躍しとるようやが、まぁえぇ。しかし年収300万円だろうが、なんだろうが、電子出版を楽しむ権利は誰にもあるんとちゃうか?」
女性は少しため息をついた。こういう老人に最先端の話をしてみるというのも社会貢献の一環になるかも知れない。次回の講演の際やブログのネタにでもできると考えると、あと13分くらいなら時間を費やしてもいい、いや14分半か。いずれにしても15分は使い過ぎだろう。
「いえ、日本では電子出版はマスには普及しないと思います。何故なら先をいっているアメリカでは購入しているのは知識層だったり、専門家だったり、いわゆるインテリのツールなんです。アイパッドという別の端末ならもっと若い人向けかも知れませんが、私みたいな層にはキンドルがあってるんです」女性は自分の見解を曲げようとはしなかった。 うぃる爺の反論とは!? 続きはコチラで
1 5月 2010
しかし今年は例年よりもさらに時が過ぎるのが早い気がする。子どもたちはどんどん大きくなり、7月には我が家の双子が七歳になるし。(7月に二人揃って七歳になるなんて縁起がいいかも)
ブログのいいところは毎日何かを形に残せるところだと思う。(ちなみに、もともと日記なんて大苦手の僕がそんなことをできるようになったのはタイピングのおかげだ)
4月は初めて本を一冊書き終えたという意味で、人生に残る一つの大きなベンチマークだった。5月15日には編集も終わり、いよいよ自分の書いた作品が店頭にならぶのかと思うとワクワクするし、ドキドキもする。これを機に社名の変更も近々行おうと考えていて、執筆や電子出版、そしてNing関連の事業に集中していきたい構え。これは一重にまずはこの不況下で自分でできる事業に集中していきたいから。手を広げすぎて痛い目に遭うのが怖いわけではないが、何かで大きな成果を達成することの喜びを得るにはやはり得意なことに注力したほうがいい。一冊の本を書き上げたことで、不思議にそう素直に思えるようになった自分がいた。そして、その得意なことは小さい時から好きだった書くことだった。なんだか随分遠回りをしたような気もするけれども、きっと必要な回り道だったんだろう。
と、いうわけで今は6月に日本で立ち上げる予定の画期的な電子出版ポータル兼販売サイトの開発に注力しつつ、ソーシャルメディアの変遷の狭間で揺れ動くウィキペディアとそれを支えるウィキペディアンたちの話をブログ風のストーリー展開で描き上げる「ウィキペディアンたちの憂鬱」(仮題)の執筆を続けている。そして、この本は最初は日本語で出しても自分自身の手で英語版に仕立て直して世界に向けて売り込みたいと思っている。ウィキペディアは世界ブランドだから、誰でも興味があるはずだし、その裏側の事情はあまりにもその知名度に相反して誰にも知られていないことが多い。例えば日本のウィキには60万項目くらいのエントリーがあるが、それを執筆しているウィキペディアンの上層に位置している「管理者」はたった61名しかいない。そして、自らの信念と社会正義のためにウィキペディア上で戦う彼らを襲うとんでもない誹謗中傷の嵐(荒らし、ともいう 笑)、本人たちの葛藤。管理者を辞めていくものも多い。また背後にどんな事件が実際に起こっているのかは誰にも分からない、何故なら多くのウィキペディアンは匿名だからだ。
「ウィキペディアンたちの憂鬱」あらすじ
物語はあるソーシャルメディアブロガー(記者)がウィキペディアとソーシャルメディアの将来についての関心から、独自の調査を開始するところから始まる。本家のアメリカでの動きに準じながらも、日本独特の文化を何とか組み入れようと悪戦苦闘するウィキペディアンの努力を知ったブロガーは、底深いウィキの世界にどっぷりとその身を漬けていくことになるのだが、そこには想像すらしなかった世界が広がっていたのだった。匿名にすることを前提に実際に姿を表した5人の管理者たち、欝による自殺、謎の失踪。。。ちょっとした興味がきっかけで足を踏み入れた世界で彼が体験していくバーチャルと現実の狭間で起こる様々な事件。そしてブロガーが自らの信念で下した決断とは。。。
てな具合で。なんだか面白そうじゃないですか?(自画自賛です)
年明けにはCESにブロガーとして参加したが、6月のE3ゲームショーと10月にラスベガスで開かれるブログワールドメディアエキスポとに参加する予定。できたら7月のWikimania 2010にも「憂鬱」の取材で参加したいけども、ポーランドっていうのが。。。飛行機代高そう(苦笑)
あと、Blogger’s Choice AwardのBest Foreign Language部門に自己ノミネートしてみました。ドメインを超えたブログ検索ディレクトリは有益だと思います。よろしかったら投票をお願いします!お好きなブログをノミネートしたり投票したりという形で参加できるようです。こういうブログのイベントやコンファレンスがたくさん増えていけばソーシャルメディアも華々しくなるんですが、まだまだ影が薄いですよね。(大手のスポンサーという存在がないので仕方ないんですが、そこに意義があるので)
——–
<P R>
日本初!電子作家と編集者をつなぐ電子出版SNS “EBook2.0“(無料会員枠残り10名程)
北米発電子出版とオンラインマーケティングの最新情報をお伝えする 「うぃるの意力ブログ」 ツイッターIDは “tachiiri” です。
取材や執筆、オンラインマーケティングに関する依頼のお問い合わせはこちらまで
29 4月 2010
今朝アップルの公式HP上で発表されたスティーブ・ジョブズのアドビ社のFlash技術に対する声明文 “Thoughts on Flash“が大きな反響を呼んでいる。これに答える形でウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)がアドビのCEOである Shantanu Narayen氏に対して独占インタビューを行った。これまでいわば「冷戦」状態だった両社だが、いよいよ公的な見解をお互いにぶつける形となった。共にアメリカのみならず、世界的に有力な大企業なので、メディア的には格好の題材である。
ジョブズの声明文は(内容はともかく)、ちょっと創世記をもじったような非常に美しい文体で書かれていると感じた。そして、その見解は6つのポイントから成っている。全部訳そうと思ったが、締め切りを控えた仕事をいくつか抱えている関係で取り急ぎポイントだけを整理したい。それに対するアドビ側の見解も併記してみた。(日本語訳にはなぜだかこてこて関西弁を採用)
First, there’s “Open”.
Adobe’s Flash products are 100% proprietary. They are only available from Adobe, and Adobe has sole authority as to their future enhancement, pricing, etc. While Adobe’s Flash products are widely available, this does not mean they are open, since they are controlled entirely by Adobe and available only from Adobe. By almost any definition, Flash is a closed system.
「オープン性」について
アドビのフラッシュ製品は自分とこのもんだけやっちゅーこっちゃ。将来性から値段から何でもアドビだけが決めよるねん。誰でも使えるからってオープンとは限らんちゅーこっちゃやな。要するにFlashはクローズドなシステムやということ。
Second, there’s the “full web”.
Adobe has repeatedly said that Apple mobile devices cannot access “the full web” because 75% of video on the web is in Flash. What they don’t say is that almost all this video is also available in a more modern format, H.264, and viewable on iPhones, iPods and iPads. YouTube, with an estimated 40% of the web’s video, shines in an app bundled on all Apple mobile devices, with the iPad offering perhaps the best YouTube discovery and viewing experience ever. Add to this video from Vimeo, Netflix, Facebook, ABC, CBS, CNN, MSNBC, Fox News, ESPN, NPR, Time, The New York Times, The Wall Street Journal, Sports Illustrated, People, National Geographic, and many, many others. iPhone, iPod and iPad users aren’t missing much video.
「ウェブはフラッシュ無しでも大丈夫」 続きを読む
25 4月 2010
少し遅くなってしまったが、NINGが先ごろ公式発表した告知文の翻訳文を掲載する。5月4日には無料サービスの廃止に伴う有料サービスの拡充についての発表が成される予定。無料サービスでNINGを使われている方は有料サービス(ドメイン転送が$5/月、広告なしモデルが$10/月など)への切り替えを準備するか、他のサービスへの切り替えを検討しておいたほうがよさそうだ。
An Update from Ning
Posted by Jason Rosenthal on April 16, 2010 – 3:13 pm
Hi Everyone,
As many of you know, we made a decision yesterday to focus 100% of the company on enhancing the features and services we offer to paying Ning Creators. The tens of thousands of you who already use our paid service represent over 75% of our traffic, and we’ve heard repeatedly from you ways that we can deliver a killer service to help make your Ning Network more effective. Some examples of things we are working on that you’ve asked for include new APIs, a new mobile experience and new advertising and revenue opportunities.
As part of this change, we’ll be phasing out our free service. On May 4, 2010, we will share with you all of the details of our new offering, including features and price points, through a series of blog posts, emails, and conference calls. We recognize that there are many active Ning Networks for teachers, small non-profits, and individuals and it’s our goal to have a set of product and pricing options that will make sense for all of them. For Ning Creators using our free service who choose to move to another service, we will offer a migration path and time to make that change. We will still continue to allow free trials and test networks on the Ning Platform.
We look forward to talking to you further on May 4th.
(抄訳) 続きはこちら
23 4月 2010
7月頃発売予定(その前に電子版が出る予定)の「電子ブック開国論」を入稿してから、しばらくこれまで溜まっていた仕事を片付けたりしていたら、肝心のブログをしばらく更新できなかった。。。(それでも毎日訪れて下さってるみなさまに感謝です) ちょっと息抜きしようと思ってたら、違うところでまた書き物のプロジェクトが入ってしまい、結局ブログはかかなくても毎日なんか書いてる自分に気づいた。一冊書ききってみると何だか自信が出てくるもので、いっそあまりいない「世界で売れてる日本人作家」になってみたいという野望が湧いてきた(笑) というわけで、次回作はソーシャルメディアの勃興と、その時代の流れの中でウィキペディアの未来とその背後にある執筆者や管理人たちの日々の苦悩と葛藤を描く、「ウィキペディアンたちの憂鬱(The Melancholic Wikipedians)」という本を執筆してみることに決めた。今回はどちらかというとストーリー仕立てで分かりやすいものにしながら、世界に通じるコンテンツを目指してみようと思う。もしうまく描けるようだったら、ダン・ブラウンみたいな感じにしたい、とか勝手に考えている。もちろん大手出版社に見向きもされなかったとしても、最悪「自分で売る」という強みが発揮できるのが電子出版のすごいところである。もちろん壮大な自己満足に終わる可能性だってあるわけだが(笑) おかげで最近「執筆」に関連する仕事を頂くことが増えてきたので、感謝である。やはり自分には書くことが一番生産的なようだ。
電話番号を変えることになり、しばらくセカンドフォンのiPhoneだけを使っていたが、やはり不便だし電波状況があまりよくない(なんかSprintよりも悪く感じるのだが)ので、Verizonに戻そうかと画策中。
今週は日本から来客があり、アテンドしているのだが昨夜見に行ったAngelesVSTigers戦で見事松井選手のホームランが見れたので感激した。残念ながら試合には負けてしまったが、この調子で頑張って欲しい。(球場にもっと日本人の観客の姿があってもいいと思うのだが。。。)
というわけで、またブログ再開します。いつもありがとうございます。
<P R>
日本初!電子作家と編集者をつなぐ電子出版SNS “EBook2.0“(無料会員枠残りわずか)
北米発電子出版とオンラインマーケティングの最新情報をお伝えする 「うぃるの意力ブログ」 ツイッターIDは <tachiiri>です。
取材や執筆、オンラインマーケティングに関する依頼のお問い合わせはこちらまで
15 4月 2010
実は昨年密かに衆議院選挙への立候補を考えていたくらいだから、私は政治にも強い関心を抱いている。というか、危機感が年々募っていってどうしようもない。なので、当然今年の夏に行われる参議院選挙にも注目している。しばらく執筆に没頭していたのだが、日本ではもちろん徐々に盛り上がっている頃だろう(と願っている)。
今の日本の停滞した世情を変革するキーワードはずばり「世代交代」と「国際化」ではなかろうか。要は開国というわけだ。
そんな感じで選挙について調べていたら、興味深い党を発見した。(今更かよ、と言われそうだが)それが「みんなの党」である。もちろん直接の面識は無いが、みなさん若くてオンラインマーケティングを積極的に使っているようであるので頼もしい。ブログやツイッターを見てもなかなかしっかりとした文章で気概を感じる。分野こそ違えど同じ「開国」を訴えているという点で好感がもてる。
政策もいい。
「脱官僚」「地域主権」「生活重視」で
国民の手に政治を奪還する!Ⅰ. 増税の前にやるべきことがある!
・・・ストップ!「役人天国」「議員天国」Ⅱ. 生活重視の当たり前の政治を実現する!
・・・経済成長戦略を展開し、「生活崩壊」をくい止めるⅢ. 「地域主権型道州制」導入で格差を是正する!
・・・「3ゲン」を移譲し、消費税は地方の財源にするⅣ. 「志高い外交」で国際的に名誉ある地位を!
・・・国民や国土はとことん守るⅤ. 財源はしっかり手当てする!
・・・埋蔵金は3年間で少なくとも30兆円
(その昔外交官を志望していた私的にはIVに激しく同意 笑)
しかし何より印象的なのはこの党に所属する各議員のキャリアである。かつては一匹狼だったような議員が続々と終結しているような趣だが、学歴を見ると国際経験が豊富な方が多いようだ。また年齢が若いのもいい。私と一歳しか変わらない議員さんもいるようだ。すばらしい。
個人的に注目しているのは実は柿沢未途さんだ。名前で分かる通り、あの柿沢浩治元外務大臣の息子さんである。実は筆者が小学校の頃から夜更かししながら夢中になって見ていた「朝まで生テレビ」でこの柿沢(父)氏が大好きだった。(有名な「おっぱい」発言なんてのもあった 笑) 一度トラブルを起こして政界から離れたようだが、その後に禅寺で修行をしてまた政界に復帰したとある。禅と英語をテーマにZEN ENGLISHというブログとSNSをやっている身からすると非常に興味をそそる内容である。彼もまだ同じ30代、将来性が感じられる。しかもこの内の二人(浅尾議員と川田議員)はあのダボス会議でYoung Global Leaderとして表彰されている。
同じ年代の方々が国際社会で頑張っているのを見て、こちらも俄然やる気がでてきた。ダボス会議に行くことを目標の一つに付け加えてみた次第である。
ところで、もしも私が政治に関わる、あるいは影響力をもてるような立場に立つことができれば、英語教育の分野で改革を起こしたいと常々思ってきた。
具体的には。。。 続きを読む
14 4月 2010
いまや世界で最も人気のあるスピーチフォーラムの一つであるTED(Technology Entertainment Design)の独立機関であるTEDxTOKYO2010が今年の5月15日に東京の未来館で開催される。今年で2回目で、初回の前回はトヨタが誇る超先進的なデザイナーの改田 哲也さんを含む2名しか日本人がいなかったが、今回は日本人が大勢。しかもビッグネーム揃いで期待がもてる。下記が本日確認された(未確定の)スピーカーリスト(スピーチ順)だ。なんと脳科学者の茂木 健一郎さんやベガスやブロードウェイでもおなじみのパフォーマンス集団「シルク・ド・ソレイユ」の名前も(!?) そして、日本人で初めて全米メジャーの放送局で番組をホストしたコメディアンの神田ロムさんも堂々の参加である。(同じ日本親善大使グループIJAMのメンバーである私としても大変うれしいことだ)
筆者も実は主催者側からの誘いに応じる形でスピーカーとしての申請はしていた(もちろんテーマは電子出版)ものの、今回は出場見送りとなった。(もっとも下記のスピーカーを見るとそれはごく当然の話で誘ってもらえただけでも有難い 笑) が、Patrickからは招待状を頂いたので、当日はぜひとも参加したいと思う。同イベントの主催者二人(Patrick と Todd)は両方ともアメリカ人だが、「日本を変える!」という思いで、外国人の彼らが日本の地でこれだけの情熱をもって頑張っているのを見ると励みになると同時に、もっと日本人の(特に若い)我々が頑張らねば!という気持ちになる。同イベントは完全招待制だが、もしも現地にいらっしゃる方がいれば現地でお会いしましょう!
リスト(日本人(らしき)名は太字) 続きを読む
14 4月 2010
養老教授のベストセラーに「バカの壁」という作品があるが、実は筆者は養老教授に敬意を表して敢えてまだこの本は読んでいない。
(しかし、教授の書いた環境論「いちばん大事なこと」は藤原正彦教授の「祖国とは国語」と同じくらい大好きな本だ。両方とも大学教授がまったく専門外の話をしているのに妙に説得力がある、という点がすばらしい。要は中身の問題だということ)
で、本題に入るとインターネットという万能インフラを通じてこれだけビジネスモデルが複合型になってくると、全体を俯瞰しながらのビジネスモデルの構築がかなり難しくなってくる。またスピードも速く、このスピード感に戸惑う人はどこの業界にもいると思うが、出版業界は特にアナログな人が多いみたいで、どちらかというとこれまでもものすごいペースで進化を遂げてきた、ITやゲーム業界の動向に詳しい人間がいうことのほうが先読みする点ではあたってくるはずだ。とにかく方向性を誤るとどれだけ努力をしても実を結ばない。頑張れば何とかなった、もはやそういう時代ではないのかも知れない。
これまで(留学生などを含めて)キャリア相談に応じることがよくあったが、その時に使っていた例というのは「例えば目標地点が2階にあるとしたら、どれだけ北や東に一生懸命走っても一生目的地にたどり着くことができない。なぜなら大事なことはそこにある梯子を見つけて登ることだからだ。だからどこが目標かを先に見定めたほうがいい。」つまり考えと行動の次元が異なっているのだから、どれだけ努力をしてもしょうがない場合がある。もちろん大まかに目標値を定めれば後は前進あるのみだ。この場合でいうと、梯子の長さがどれだけあるか分からないし、2階にたどり着いたら、またはるか遠方に目標地点があることを発見するのかも知れない。でも、そしたら走ればいい。同じ次元にいたら後は努力した者が勝つ。
最近はこの例えを、とあるiPhoneのゲームを用いて説明するようにしていたのだが、実はこの説明、我ながら分かりやすい。で、先日アップルストアに行った時に、これを証明する「生きた証拠」があったので、思わず自分の子供が遊んでいたiPhoneを拝借して写真と動画を撮った次第。
ではお題です。
下記はNBA Liveというバスケットボールのゲームです。普通の画面でプレイするには左側に現れるサークルに左手の親指を置いて方向を定め、後は右にある二つのボタンを押してパスとかシュートを決めます。ここまでは、過去にバスケットボールのゲームをしたことがある人なら簡単に分かることです。なので、よしよし、と思ってプレイし始めます。ここまではあまりヘルプなんか見ないですよね、分かりやすいゲームだと思いますから。
ところが、です。多くの人はこの後とんでもなく大きな壁にぶちあたります。それがフリースローです。ファウルとかした時にシュートの体制から始まるやつありますよね、あれです。実はこれ、ちょっとした発想の転換が必要で、分からない人は多分「100時間」費やしても分からないです。というか諦めるしかないでしょう。実際にこのお店にあったiPhoneもその状態で止まってたんです。だからそれを見た私は、「ははぁ」と合点がいった訳です。その人もきっと、この「発想の壁」を乗り越えられなかったんだろう、と。(わかってる人はただニヤニヤしながら続きを読んでください 笑)
これがフリースロー前の画面です。画面を見てください、これまであったボタンが消えてしまっています。シューターが立ってて、ボールを持っているだけです。フリースローを放つにはまず構えなければなりませんが、どこにもボタンがないので、どうやっていいのかさっぱり分からないはずです。実は私もこれにこないだはまりまして、東京に向かう飛行機の中でやたらもがきました。(実は私はかろうじてヘルプを見ずに答えが分かったんで、何とか自分で威信を保ちました 笑)
でも、とあることをすればちゃんと構えます。(ゲームなんで当たり前ですが)
ここで考えてください。じゃー一体どうしたらいいのかと。ここでピンと来る人も多いはず、ですがきっと分からない人には全くわからず途中で投げ出してしまうでしょう。これが現在起こっている電子出版やソーシャルメディアを巻き込もうとしているインターネットを取り巻く環境変化の例だと考えてください。
もし全く分からなければ、成功する選択肢は三つしかありません。
1.誰かに聞く (か、分かる誰かにやらせる)
2.マニュアルを読む
3.諦める
これだけです。つまり、自分でまったく分からなければ分かっている人か分かりそうな人にお願いして試してもらうしかありません。そして、過去の体験から正解のカギをもっている人はヘルプを見なくても正解にたどり着く可能性があります。(そういう人はオッケーです。というかこういう人が一番柔軟性がある人だと思います)あるいはただヘルプ読め!って言ってくれる人もいるかも知れませんが。。。この人も言っていることは正しい。何故ならそこには答えがあるから。でも実際の人生やビジネスにはそんなマニュアルそうそう転がってないですからね、言っときますが。
相当えらそうですいません。でもショックを与えるにはきつい表現のほうがいいですね。
ではもったいぶりましたが、回答です。下記の動画をご覧ください。 答えを見る
13 4月 2010
出版業界はいったい何をやろうとしているのか、で始まる同コラムをCNETで読んだ。
ちょうど佐々木氏の話題の新作「電子書籍の衝撃」が明日発売される。筆者も一足先にPCとiPhoneで数度読ませて頂いた。
今週はその他にも同氏の次世代ウェブ グーグルの次のモデル (光文社新書)を読ませてもらったので、頭の中には佐々木節がうずまいている(笑)佐々木氏がまさしく次世代のソーシャルメディアを引っ張っていく、オピニオンリーダーの一人であることは何冊か彼の著作を読めばすぐに分かることだ。情報は幅広く、切れ味が鋭い。当人が同調されるかどうかは分からないが、筆者のテンションと佐々木氏の論調は非常に似通ったものがあると自分で思っている。現在ほぼ脱稿しつつある執筆中の著作には先日「電子ブック開国論」と名づけたので、まさしく表題のエントリーにシンクロしている。
曰く、
iPadの発売を目前に控えて空前の電子書籍騒動が巻き起こっている。iPad や Kindle など海外の使いやすそうな電子書籍サービスがいよいよ日本に本格参入してきそうな雲行きの中で、ここに来てにわかに「日本産の電子書籍プラットフォームを作ろう!」などという声が出版業界や霞ヶ関あたりから聞こえてきている。
そうだ。日本の出版界はここに来て、ハチの巣をつついたような大騒ぎになっているようにしか見えない。何も今に始まったことじゃないのに!
筆者が電子出版事業を見つけて「金脈だ!」と騒いでいた昨年の春頃、日本では電子出版なんて流行らない、という意見が多かった、というかそれしかなかった。会う人会う人にそのすばらしい可能性と、これをもって日本のクリエイターが海外に進出するチャンスが増大することを説いた時、新しもの好きな私を知るごく身近な人でさえ、その多くは電子出版が日本の出版市場に影響を与えることなど考えてもいなかったのだ。(稀に例外がいて励ましてくれたので事業を続けることができたので感謝している)
しかし、残念ながら佐々木氏が言うように、時すでに遅し、である。決して希望がまったく無いとは言わないが、しかし、今回も残念ながら付け焼刃で勝てるような相手じゃないことは事実だ。失礼な言い方だが、今の日本の出版界は黒船が波打ち際まで迫っているのに、浜辺でバタバタ騒いでいるようにしか見えない。戦に例えていうならば、本来ならば、遠距離砲の何発かでもうって威嚇しておくとか、空中戦をしかけておくとかして相手の様子を伺ったりしておくステージが遅くとも昨年までに繰り広げられて然るべきだった。
「こんなはずじゃなかった」とは言わせない。今年のCESに来なかった人の多くは去年のCESが面白くなかったからとか、不況で経費削減があったから、とかいう理由なのではないかと察する。しかし、それは電子出版においては全く正反対の戦略だった、何故ならきっちり時代の流れを読んでいたら今年が電子ブックリーダー元年になり、今年のCESに電子ブックリーダーが大挙して現れるのは明らかだったからだ。筆者はCES2009には行かず、その前年に行ったと思うが、その時は「電子フォトフレーム1/2」があるだろうと思って視察しにいったように記憶している。そしたらビンゴ!大手ブースで景品として配られるくらいそれだらけだった。このように、日本はいまだに海外に全く正しいマーケティングの視線を向けられていない。それどころか、未だに「開国か鎖国か」を続けている。もう150年も経つというのに。。。
氏の挑発的な見出しは続く
既得権益防衛に走る高齢高所得出版社員たち
野間副社長は「出版社が中抜きされる」とさかんに記者会見で発言したらしい。たしかにiPadやKindleのような書籍の直接流通を可能にするプラットフォームが現れてくれば、従来のような出版社ビジネスは変容を迫られる可能性は高い。
しかしだからといって、その「中抜き」を防ぐために業界団体を作って既得権益防衛に走るというのは、本当に正しいのか。そもそも従来の出版社ビジネスが中抜きされたからと言って、それによって困るのは出版社の高齢社員だけだ。読者は喜ばないし、著者も喜ばない。いや出版社だって、若手社員は「もう逃げ切れないから、今後の大波を覚悟して頑張ろう」と思っている人が圧倒的に増えている。結局、中抜きを短期的にでも回避できたらハッピーなのは、あと10 年ぐらいで定年退職すれば逃げ切れると思っている高給の高齢社員だけなのである。こんな人たちにつきあわされる若手出版社員こそいい迷惑というものだろう。
歯に衣着せぬ、とはこのことだろう(笑) しかし、これも実際に筆者が前回日本に出張に行った際に聞いたままのことである。いやいや、そんなことで日本の未来を台無しにしてもらったら困ります。
次の二つの見出しも、完全に同意できる。
プラットフォーム戦争に敗走している日本
AppleやAmazonを排除するな、堂々と戦え
そして、最後から二つ目の段落にある下記の文章がまさしく電子出版からソーシャルメディアへとつながる一連の社会変革にとって一番大事なことだ。。。 続く
Posting tweet...