Archive for the 「 ビジネスプラン 」 Category

MIT-EFJという略語ではなかなか分かる人がいないと思うが、これはMIT(マサチューセッツ工科大学)の関連組織である、日本MITエンタープライズ・フォーラムが主催するビジネスプランコンテストのことである。(公式サイトはコチラで、本家MIT-EFのサイトはコチラ)本家のMIT-EFは海外6カ国を含んだ24箇所に拠点をもっており、独自のベンチャー支援活動を展開している。(日本ではまだ馴染みの薄いメンターシステムを採用していることもこのコンテストの特色である)

このコンテストに現在αテスト期間中の電子出版関連ポータルを含めた、これまで私がLocal Mode Digital Publishingとして手がけてきた電子出版事業の事業案でもってエントリーしていたのだが、先週無事に書類審査を通過しファイナリストに名を連ねたという通知が届いた。

筆者はまだ日本で誰もキンドルの存在を知らないような時期から電子出版事業を展開してきた立場で、今の電子出版事業については先駆者を自認している。日本ではようやく電子出版という言葉に対する抵抗や反感が少なくなってきたというタイミングで、まさに筆者らが主張してきた「電子ブック元年」が到来した感があるが、正直まだまだまともなビジネスモデルを展開できているところは少ないと思う。このコンテストでは、日本だけでなく世界にも通じるような電子出版関連のビジネスモデルを提案し、なんとか受賞にこぎつけたいと考えているので是非とも行方を見守って頂きたい。

昨年からアマゾンのキンドルストアで地道にコンテンツを販売してきて、電子出版の可能性に目をつけてから積極的に当ブログでも情報配信を行ってきました。

日本で電子出版の熱が高まったのは素晴らしいことだと思いますが、なんだか加熱しすぎていてよくありがちな「一過性のブーム」化してしまわないかというのが逆に懸念になるほどです。(ツイッターなんかはまさにそうだと思いますが)

さて、これまでの各社、各サイトの動きを見てきて、私なりの見解が見えてきたので、ここで日本の電子出版界に対して意力なりのソリューションを提示してみたいと思います。
これは一早く、私の見識と経験を尊重してくれたメディアタブレット社との協業によるものです。もちろん大手三社みたいな予算もコンテンツももってはいませんが、弱者には弱者としての戦略があるということを一つずつ形にして日本と世界に提案していきたいと考えています。アルファサービスが来週立ち上がり、月内にはベータに移行予定。今のところ7月上旬に公式サービスをローンチ予定。私の「電子ブック開国論」の電子版やその他の有名作家の新作コンテンツなどもそちらで披露していくことになります。

電子出版についてはただでさえ難しい話が、どんどん多角化していくことで複雑になってきていると思います。アメリカと日本を比較しても、違いはあちこちに見受けられます。ただでさえITにうとい作家のみなさんの多くはすでにディスカッションのかやの外にいるのではないでしょうか。きっと多くの読者も同じような思いで困惑しながら市場を見つめていると思います。

日米の大きな違いの一つはソーシャルメディアに対する日本の意識の低さ。これはジャーナリズムがしっかり根付いてこずに、「大本営」的報道を鵜呑みにして、容認し続けてきたことに起因すると考えています。紙媒体がメディアを強烈に後押ししてきたように、電子出版はこれからソーシャルメディアを力強くバックアップします。ブログやツイッターなどのツールを自在に活用して社会に良質な情報を発信していく書き手はこれから増えていくでしょう。キーワードは「脱大手依存」、そして「目利き」の重要性だと考えています。

もともと独立志向が極端に低い日本の社会において、ソーシャルメディアの成立は困難かも知れませんが、例えばこれからは朝日新聞社のような大手メディアを早期退職する書き手が、多くソーシャルメディアの業界に流れ込んでくることは十分に考えられます。しかし、ソーシャルメディアが市場から十分な認知とレスペクトを集めない限り、そこには常に資金的な問題がついて回り、多くのメディアは長くは続かないと思います。ソーシャルメディアと電子出版がこれから共同で戦っていく壁の一つが「ウェブは無料」という概念です。人気を集めるために無料で行う宣伝活動はもちろん必要ですが、そこには成果として測定可能な売上金額がどこかについてこなければなりません。

電子出版では誰もが簡単にコンテンツを作成して販売することができますが、それらのコンテンツから得られる収益で生活できる作家はごく一握りだと思います。しかし、それは現在もそうなのですから、何も変わったことではなく、要は作家がコンテンツを売りやすい環境をどう構築していくかということだと思います。

その為には、いわゆる「中抜き」行為がある程度は必要になってきます。これは、収益性を上げるためというよりは、風通しをよくして市場をよくするために必要な行為です。というのも読者の声に耳を傾けない限り、自分のコンテンツを市場で好評を博するものへと変えていくことは難しいからです。これにはまた違う側面もあり、書き手とファンとの間が近くなれば、その分心理的なインセンティブが働き、読者は作家を支持しようとするはずです。(コミケ繁栄の背景にもそういった現象はあると思います)

話をコンテンツに移すと、電子出版でとかくフォーカスされがちな、日本のコンテンツが性描写や暴力の描写でアップルに拒絶されたというような話は、アップルが横暴だとか日本が表現の自由を支持しているというのとは別のところで、実は日本という国が先進国の中でおそらく最も人権意識が低い国であり、多くのグレーゾーンによって支えられているということを浮き彫りにしているのだと考えます。文化的背景はもちろんあるでしょう、しかし日本はまず自分たちが他の先進国と多くの点で違っているということを認識しなければなりません。。。 続きはコチラ

起業当時の苦い思い出など

この日曜日に行くMSのプロジェクトNatalのイベントに際して、いろいろ予備調査をしていたらふと昔も同じような案件に携わったことに気づいた。
そう、それはリアクトリクス(Reactrix)というシリコンバレーの広告関連ベンチャー事業。
サモア人の巨漢と一緒に立ち上げたBWGというコンサル会社で手がけた案件で、当初一番大きな案件だった。2005年のことだ。

きっかけは近所のショッピングモールでこれを見かけて子どもたちがハシャイでいるのを見て、これは面白いと思ったこと。それから手を尽くして、ラスベガスに行ったり韓国に行ったり、東京にも行ったりして、紹介に次ぐ紹介(間の人はどんどんいなくなったが)で某大手ネット関連広告代理店に話がつながり、社長まで交えてMTGをした。結果、日本にも行くことになったのだが、いろいろ事情があって実はフィーはもらえずじまい。

本当は契約がされたらフィーがもらえるような形になっていたのだが、その後音沙汰がないのでボツになったかと思っていた。ある日一番最初にその代理店を紹介するきっかけをつくってくれた方から、当事業が日本にすでにいっているという連絡があり、「立入さん、フィーもらいました?」と言うので、調べてみたら某IRにも確かにデカデカと掲載されていた。当然フィーがもらえると思って連絡してみたら、ノラリクラリと交わされるだけ。その後も信じて待っていて、いい加減いいだろうと思って連絡したら既に計画はポシャった後(提案はいろいろしようとしていたのだが、あのままいったらそうなるのは当然だ)で担当者もどこかに消えていた。フィーを切り出したら弁護士が出てくるようになって、こちらも訴えようかと思って弁護士と準備していたのだが、結局コストのことやら他のことが忙しくなったりで今のところそのままになっている。

しかし、経営責任者であるその会社の社長さん(結構業界では有名人だ)はずっと最初からメールにもCCされていたし、事の顛末を知っているはずなのに完全にダンマリという無責任な態度が一番理解できず、気に食わなかった。まだまだ「過去の思い出」にするには自身の中でふんぎりがついておらず、上場会社が高々数万ドル(しかも内半分は経費精算だ)のフィーを払うのにそこまでゴネてくるとは思わなかった。(おかげで未だに天ぷらを食べるとその社長の顔を思い出す始末だ)

独立当初はいろいろあるトラブルの一つで、こちらの落ち度も指摘されても仕方ないとは思うが、それも含めていい勉強にはなったと考えるようにしている。しかし、この痛い教訓のおかげでこういう大手が(立ち上げ後すぐかどうかは別にして)零細企業をイジメるようなことがあちこちで横行しているのだと思うと、やはり弱者のお手伝いをしてあげたいという気持ちになる。大手には大手の言い分があるんだろうけども、ぶっちゃけ踏み倒された方からすると ” Who cares!”である。(向こうもこっちのことなど覚えてもないだろうが 苦笑)

愚痴っぽいエントリーになってしまったが、立ち上げすぐで右も左も分からないような時期に案件が大きくなって、結局何の儲けにもならなかったという経験をした方は多いはず。自分の失敗を共有することで、誰かの助けになれば幸いである。こういう悔しい思いを成功へのバネとするのも、そう悪くはあるまい。

誰でも手軽にコミュニティサイトを作成できるNingにはまだまだ埋れているたくさんの活用方法があると思う。どうも日本では目立たない、というか黙殺されがちだが、これには隠れた理由があるように思う。(実は一番の理由はNingという名前にあると思っているが ニングってあまり響きよくないし、ニンだと伊藤四郎みたいだ 笑)

IT関連の業界にいる筆者でさえ、ウェブサイトの制作には見えづらいところが多い。実際に機能やデザイン、価格の点でいざ発注しようとした際にあちこちに聞いてまわって大混乱してしまう経営者は本当に多いようで、これはウェブサイトやシステム開発の営業の現場で直接耳にすることだ。つまり言葉を悪くすれば、大抵の場合はこうやって経営者はIT業界特有の専門用語などで煙に巻かれてしまう事実があるということ。中には相手を見て値段を決めるという少し前の高級寿司屋みたいな業者も多いと聞く。明瞭会計とはほど遠いのが事実だ。また、いくらお金をかけてシステムをつくっても売上にどう結びつくかというところはまた別問題で、オンラインマーケティングの別予算を取らなければならない。SEOというまた何ともうさん臭い(苦笑)言葉が出てきてなんだかんだと言われるのも頭が痛いところ。

こういう現実を見ながら、自身も一ブロガー・作家としての新しいスタートを切るにあたりNingを活用して公式サイトを立ち上げてみた。手軽にできるし、内容の管理も簡単。独自ドメインの使用も問題ないし、何よりウィキなどと違って他人に荒らされることもない。(だいたい自分に関する情報を自分で管理できない時点で問題である) Ningは200万のネットワークと4000万人の会員を抱える大手のサービス会社だからトップドメインにはアクセスが集中し、結果検索結果でも上位にランクされる。(その証拠に数日前につくったばかりでも僕の名前でググればトップ画面にでてくる) 大体、「公式サイト」なんて自分で作らないとできないのだから、”(人名)公式サイト“ と検索すれば自分が作ったサイトがトップに来るのは当然の話で、そもそもSEO以前の話だ。これからはいかに検索エンジンに依存しないようにマーケティングをしていくかということも重要なテーマだと常々考えており、こうした発想はそういう大手依存からの脱却を手助けしてくれるありがたいものだ。みなさんもぜひ一度お試しください。お手伝いが必要な方はぜひコチラまで、と最後に売り込み(笑) なんのことはない、これって本来のホームページなんだけども、ブログやツイッターや、リアルタイム検索のおかげでようやくホームページへの誘導とコンテンツ配信が簡単になったということだ。もちろん中身が大事なことは言うまでもないが。

いよいよ日本でも発売されるiPad、電子出版、ゲーム、マルチメディア、いろんな使い方ができる汎用機だけに多業種に渡って影響がでそうだ。
これまで使ってみた感想としては電子ブックリーダーとしてはマンガや雑誌には向いているものの、普通の書籍を読みたい人は専用端末のキンドルの方が向いているというイメージ。もちろん両者には両者の良さがあるので、簡単な比較はできない。ただ、同じ専用端末でもポータブルDVDプレイヤー(車載用含む)はiPadで本当に殺されるかも知れない。中途半端なスペックやネットの常時接続がないにも関わらずブームだけで売れてきたようなネットブックもまた然り。

と、いうことで今回は日本でのiPad発売を記念して、アメリカで一時話題になった動画をご紹介。日本でも恐らく話題になったことがあると思うが、まだご覧になられていない方も多いのではないだろうか。

Will It Blend?はアメリカ発のバイラルマーケティング会社で、通常しないような「あらゆるものを同社開発の強力な強力なブレンダー(ミキサー)”Total Blender“で粉砕してみせることで、同商品を消費者に売り込む」という何ともダイナミックなプログラムだ。Wikiによるとこれまでに100弱の製品を見事に粉砕してきている。(Glow Stickを粉砕するやつとかはスゴイことになっている 笑) 

もちろん動画にもあるように、読者の皆さんはこういう使い方は決して真似しないようにして頂きたい(笑)
Will It Blend?公式サイト
ちなみにiPhone版はコチラ

日経新聞電子版の未来面が日本をテーマにしたエッセイ(400文字以内)を募集している。第4回目となる今回は「世界一、来たくなる国、日本へ。」だそうだ。

メールできた募集要項

 日本経済新聞社は、日本を2020年までに世界にとって「なくてはならない国」に
するための具体的なアイデアを広く募り、世に問うための紙面「未来面」の掲載を
4月19日朝刊から始めました。第2回「世界一、世界人が多い国、日本へ。」には
600件以上の応募がありました。ありがとうございます。

 次回、第4回のテーマ「世界一、来たくなる国、日本へ。」を2020年までに実現す
るための具体的なアイデアを募集します。200文字から400文字程度でお寄せください。

 ご投稿を日経電子版「未来面」( http://www.nikkei.com/mirai/ )で受け付け
ております。

 お寄せいただいたアイデアのうち、優秀な作品を紙面や「日本経済新聞 電子版」
(6月上旬掲載予定)に掲載させていただきます。奮って「未来面」にご参加くだ
さい。

 締め切りは5月末です。皆様のアイデアを心よりお待ちしております。

上記サイトからの引用

次回のテーマは、

「世界一、来たくなる国、日本へ。」

です。

 今回「世界人」をテーマにアイデアを募ったところ、多くの読者のみなさんが「いかに日本の魅力を引き上げるか」に関心を寄せていることが分かりました。また、政府は観光立国を掲げ、日本を訪れる外国人の数を大幅に増やす目標を打ち出しています。

 日本が成長を遂げるには、外国人、日本人問わず、国内での人の交流を増やし、内需拡大につなげていくことが避けて通れない課題です。そこで次回テーマを「世界一、来たくなる国、日本へ。」とさせていただきました。

 この目標を実現するための具体的なアイデアを広く募集します。200文字から400文字程度で執筆してください。採用されたアイデアは、6月以降の未来面や電子版で紹介していきます。今回のテーマの応募締め切りは、5月末とさせていただきます。なお、これまで同様にみなさんがテーマそのものを自由に設定し、アイデアを記入していただく投稿も併せて募集します。

締め切りが迫っているので今日応募してみた。普段長いブログばかり書いている(苦笑)ので、400文字以内という小学生の作文みたいな文字数ではなかなか言いたいことをまとめきれずに苦労したが、やはり制限文字数内で書けてこそプロというもの(笑) 何とか仕上げてみた。6月以降の発表に期待してみる。

年表型SNSヒスティを共同運営している高橋誠さんのつぶやきから表題の記事を発見した。
掲載元は現代ビジネスのこちらのコラム

 202X年、めっきり数が減った本屋は古き活字文化を愛する一部好事家(こうずか)の集う場所となっていた。普通の人は本が読みたければ、電子ブックリーダー(電子書籍を読むための端末)で目当ての著者やテーマを検索し、購入ボタンを押すだけだ。一冊わずか60秒ほどで、家にいながら世界中の読みたい「本」が手に入る。わざわざ本屋に行く必要もない。

 ブックリーダーに表示される「本」には、紙の手触りもなければ、インクの匂いもしないが、子どもたちにはとくに違和感はない。小学校入学と同時に電子教科書に親しんで育った彼らのなかには、紙の本を手にしたことのない者さえ珍しくなくなっている・・・。

という冒頭で始まるこの読み物はなかなか面白い、というのも筆者が先日入稿を終えた「電子ブック開国論」の中で中心的に語っている内容に非常に近いからだ。

本来時代の先をいくはずの週刊誌にしては、いまさら感が少しあるものの、黒船騒動を大きくしてくれるのはもっともっと電子出版を本格的なものにするのに必要なことである。筆者の印象ではまだまだ本質的な部分は議論どころかアジェンダにも上がっていないと思う。やれ電子ブックリーダーが、とか、返品が、いや取次が、などというのは本当に表面的なトピックであり、日本が考えるべき「黒船」対抗策はまったく違うところにある。(詳しくは6月にまず電子版が公開される予定の拙著をご覧頂きたい)

先日「電子書籍の衝撃」を記した佐々木俊尚氏の弁が引用されている

「15世紀にグーテンベルクが印刷技術を発明し、紙の本が広がったとき、こんなものは濡れたら破れてしまうと、わざわざ羊皮紙に書き写させた修道院があったそうです。
いま日本の出版業界で、電子書籍は普及せず、紙の本が残ると思っている人は、その当時、どんな文化的変化があったかを知るべきです。そして、いかに大きな変化があっても、書物という文化はちゃんと続いた。そう考えると、紙の本はなくなる可能性があるし、なくなったからといって、電子書籍が新たな本の文化になれば、さほどの問題ではないでしょう」

正論である。今回電子出版が起こす「革命」は映像や音楽で先行したデジタル化の中でも世の中に最も大きな変化をもたらす可能性があるものだ。それは一重に「紙」媒体が人間の生活に密着してきたものであり、メディアや報道が基本は紙からスタートしたということにもよる。「ペンは剣よりも強し」、この言葉をこれから始まる電子出版→ソーシャルメディアへの流れの中で人々は改めて実感することだろう。もちろんそれぞれの社会でステータス・クオを望む「既得権益者」あるいは政府がどこまで寛容になるかによって、これからの展開は変わってくる。ある意味これは、言論というものを中心にした一昔前の学生闘争みたいな闘争にもなりかねない、それくらい大きなインパクトをもっていると筆者は考えている。だから佐々木氏や池田信夫氏のように声高にその意義を説く者が後を絶たないのだ。日本はまさに「革命前夜」だ。このトーンが大げさかそうでないかは、今後の展開次第だろう。(疑問に思う向きには、宗教改革と活版印刷の関連性を想起頂ければいいのかも知れない)

以下、参考になるような部分だけを抜き出してコメントしてみる。

電子書籍は地球に優しい?!

当然である。特にキンドルのような専用端末は省電力設計で、紙という資源も使わないし、なにより新聞や雑誌で大量にできる「ゴミの山」が全くなくなる。アメリカで中高年のインテリ層を中心にキンドルが流行った最初の理由は「エコ」だったからだ。値段が問題だったのではない。(ポリシーは別として)環境問題に敏感なアメリカではこういう人たちがトレンドセッターになっていくことはよくある。

「私の本をキンドルで読んでいる人の年齢を調べたら、高齢者が多くて驚きました。高齢者にとって、軽くて、文字を大きくしたりできることは電子書籍の最大のメリットでしょう」(アメリカ人作家リチャード・ラング氏)

その通り。口が酸っぱくなるくらいアチコチで話している内容だが、電子出版の魅力は「紙出版ではできなかったことが可能になる」ことにつきる。いつまでも既存の出版の延長線上で電子出版を捉えるしかできないような業界関係者はどんどんおいてけぼりになるだろう。あと、日本独特のガラパゴス化にも要注意だ。良し悪しの問題ではないと前置きするが、携帯でマンガを読むという日本の電子出版で主流を占めているような読書モデルは、現時点で世界の電子出版の標準とは全く程遠い。もちろんどちらに進むかはまだ分からない、これは全く新しい世界なのだから。

 アメリカでの取材により、日本の出版業界がいずれ直面するであろう課題が何か、ぼんやりと見えてきた。同時に、日本の出版業界には、電子書籍に対して浮き足だった議論が少なくないという気もした。

ていうか、遅すぎませんか!? 出版業界でも早い人は今この仮題に直面している、が、電子出版の先駆者は今日本の出版業界の人たちが全く思いつきもしないようなレベルでの抗争を繰り広げているわけで、恐らく日本の出版業界の人で現状分析と電子出版の可能性について正確な知識を有している人間というのは片手で数えられる以下かも知れない。(これは大手出版社の関係者や新聞社の記者などとも話してきた筆者なりの所感であるから間違っているかも知れない、というかむしろ間違っていて欲しい)

「私自身は紙の本に格別の思い入れを持っています。印税率について言えば、本には初版部数というものがあり、初版部数分の印税が著者に支払われると、それはたとえ本が売れ残っても、おカネを返すことはありません。これは一種の『契約金』だと考えられます。しかし電子書籍の場合、読者が注文すると課金される仕組みですから、初版部数という概念はありません。
仮に印税率が70%だったとしても、一冊も売れなかったらゼロです。そんな状況で書き下ろし小説を出していくのはリスクが高すぎて、プロとしての仕事はできないのではないかと考えます」

もっともである。売れた分だけ印税をもらう、それでいいではないか。逆の観点からすると作家が印税を受け取るのに1年とか1年半とかかかるシステム自体が時代の流れに即していない。またもったいつけて(自分たちの事情で)どうせ大した部数も出さない「初版」などという縛りで作家をいつまでも拘束できるというなら、電子出版で間に入る電子出版社がMGを作家に対してつけてあげればいいだけのことだ。初版をケチると在庫が切れて、欲しい読者のもとにすぐに届かず溜飲が下がってしまう。電子出版ではそんな問題は全く発生しない。。。 続きを読む

Ningの新料金プランについて

ここのところ風邪をひいていたのが、なかなか治らず苦労していたが、夕べはレイカーズの見事な勝利で少し元気になったのか頭痛が気づいたら頭痛が収まっていた。

さて、結局一日経ってしまったが、米国時間5月4日に発表されたNingの新料金プランについて解説することにしよう。日本の主要なメディアはTech Crunchの日本語版以外はほとんどこのNingの発表をスルーしていたようだが、200万のSNSと4000万人という会員を集めるオープンソーシャルの雄であるNingの一大発表であったのでアメリカではもちろんそれなりに話題になっている。(ちなみにNingはもともと有料制課金を無料サービスと並行してずっとやっていたので TC の原題 “Ning Goes Premium”を「SNSホストサービス、Ning、有料モデルをスタート」と訳したのは誤解を招きそうだ。「Ningがプレミアムサービスに移行へ」みたいな見出しのほうがよかったのではないか。
特にNingのネットワーク管理者が大挙してコメントしたこちらではすごい勢いで書き込みが続いているからその反響が伺える。(10以上のNingネットワークを構築している筆者も一件コメントしてみた) FAQもアップされたようだ。

もともと日本ではNingの知名度が少なく、コミュニティも大きくないので詳細な情報がでてこないのは当然のことだと思う。ここは自称Ningの権威Dr.Wilがこのプランを解説してみる。

まず、これまでのNingのサービスは原則無料だった。これに、広告枠を自分のものにする(1.広告を全く表示させなくする、2. 広告を自分で掲載する、3.Ad Senseの収入を自分のものとする)というプレミアムサービスが月25ドル、独自ドメインの利用が月5ドル、Ning ネットワーク宣伝用のバナーの撤去が月25ドル、きっちりとしたカスタマーサポートが受けられるプレミアムサービスが月10ドル~(三段階あった)、などというオプションが与えられていたのだ。

これが新しいプランではどうなったかというと、原則下記の3つのプランに集約されることになったようだ。

Ningミニの説明 $2.95/month or $19.95/year* (save 44%)

What is Ning Mini?
Ning Mini, priced at $2.95/month, is the simplest and fastest way to set up a social network for your classroom, small nonprofit or family group. Ning Mini provides a basic set of features, accommodates networks of up to 150 members, and includes ad-free or run your own ads. For $2.95/month or $19.95/year, Ning Mini is perfect for Network Creators with smaller networks and a limited budget. View a side-by-side comparison of plans here.

こちらは最も安いプランである。今の換算レートだと年間2000円弱。クラスルームやNPO、あるいは家族といった規模の小さなネットワーク向けである。メンバーは150名までに限定されており、広告枠は自分で使えることになっているようだ。これまでは広告枠を自分のものにするプランというのは月5ドルだったわけだから、これだけでも大分ディスカウントである。私もいくつものNingのネットワークを管理している身であるから、これから一つずつどうするのかを決めていかなければならないが、基本は存続させると決めたものについてはこちらのプランを適用させることになるだろう。(ただし既に会員数が200名近くなっている電子出版SNSは上限を超えているのでこちらでは対応できなそうである)

Ningプラスの説明 $19.95/month or $199.95/year* (save 16%)

What is Ning Plus?
Ning Plus, priced at $19.95/month, provides the robust set of tools and features you need to build and grow a highly-engaged, branded social network – at an incredible value. Ning Plus includes all current Ning features except for video and music uploads and branded players. This plan also includes run your own ads, use your own domain, and remove Ning promotion links. Ning Plus is a incredible value at $19.95/month (a 40% discount) or $199/year (a 63% discount). View a side-by-side comparison of plans here.

こちらは月19.95ドルのプラン、上記のNingミニの年間費用相当を一ヶ月で払うということになる。Ningミニの機能が現行のものよりも制限されているのに対して、こちらはフルに機能を活用できるようになっている。ただし、ここにはビデオと音楽のアップロードと有名ブランドのプレイヤーが使用できない、となっている。これがどういうことかは今ひとつよく理解できていないが、動画はこれまでYouTube、Hulu、または Vimeo の動画三大ブランドから追加することが可能だったので、これらのことを指しているのだろうか。
(ちなみにNingが対応している動画のフォーマットは.mov、.mp4、.mpg、.avi、.wmv、.3gp、および .3g2 である) ミニプランと同様に独自広告を走らせることができる他、独自ドメインを使うことができるようになっている。年間200ドル(63%の割引)をどう捉えるかだが、有料制のみが存続するということで大方のネットワーク管理者が考えていただろう、最安の方法である独自ドメイン(現行は月5ドル)オプションだけを申込むということはできなくなりそうだ。例えば筆者もNPOのCharity Globeのサイトでは独自ドメインを利用しているので、これを存続させるためにはこれまでなら年間60ドルでよかったものを200ドルにしないといけなくなる。ここに対して怒りをぶつけている人も多いのかも知れない。このプランは恐らく今後の主流になっていくだろうから、Ningにとっても思案のしどころだったのだろう。またこちらのバージョンとプロではNingのプロモーションリンクが外れるようだ。

Ningプロの説明 $49.95/month or $499.95/year* (save 17%)

Ning Pro
What is Ning Pro?
Ning Pro, priced at $49.95/month, is the ideal solution for Creators building a comprehensive social experience who need additional features, integration and support. Ning Pro includes all current Ning features, as well as run your own ads, use your own domain, no Ning promotion links, additional storage and bandwidth and premium support — a 33% discount off of what this package costs under our current pricing model, and a 46% discount if you pay the annual price of $499.95. Ning Pro customers will also have the option in the near future to upgrade to get API access and HD video. View a side-by-side comparison of plans here.

この三つの中でも最上級のプランがこのNingプロである。こちらは月々49.95ドル(約5000円)だから、なかなかの金額だ。先に述べた現行の一般的な3つのオプションを全部足したら55ドルだったから、明らかにそれを意識した値段になっている。NingのCEOのレターにもあったような有名Ningサイト群を運営している人々にとっては、いくらかのディスカウントになったのかも知れないが、小規模なネットワークでビジネスでやっているのでない場合は手が届かない料金かも知れない。
現行より33%安いとなっているのは恐らく基本3オプション(55ドル)に加えて帯域のアップグレード(月10ドル~)とプレミアムサポート(月10ドル~)を加えた金額(75ドル)に対してだと思う。年間一括払いでのディスカウントも大きく、その場合は現行の値段に対して46%の割引適用となる。このプランでのポイントは今後さまざまなAPIの供与を受けたりHDのビデオをアップロードすることができたりするということだ。Storageは10GB+、Bandwidthは200GB+となっているので、ほぼ無制限に使えるということだろうか。(ちなみにプレミアムサポートというのは問い合わせをしたら24時間以内に返事が返ってくるプランのことだ)

これを受けて各Ningのネットワークには下記のようなバナーがサイトの上部に貼られて管理者とメンバーに告知がされている状態だ。それなりの規模になっているSNSではメンバーから無言のプレッシャーを受ける管理者も多かったりして(苦笑)

少し長くなるが、下記にプラン別の内容比較を抜粋して個別にコメントしてみたので興味のある方は参照頂きたい。(解像度が低すぎて見えにくいですが、クリックするとズームします) Ningの詳細はこちらで

Ningが新料金プランを発表!

当初は午前8時を予定されていたらしいが、ツイッターで10時にずれ込むことがアナウンスされ、その10時よりも少し前にNingの新料金体系が公式サイト上で発表された。
すでに同サイトのコメント欄では賛否両論の意見が交わされているが、私はこれは非常に良いプランだと思う。Ningにいつも感心するのは単なるITのサービスとしてではなく、ビジネスモデルとしてのコンセプトが明確であることだ。今回の変更ではこれまでの有料サービスの内容を、かなり安く使えるようになる。もちろん無料サービスだけに期待していたネットワーク管理者には残念であることには違いないが、”There’s no such thing as Free Lunch”という言葉通り、ウェブの世界はこれから何でも無料であり続けるという訳ではないし、その方が最終的にはエンドユーザーのためにもなるはずだ。(例えばNingがこのまま無料サービスを続けていて、結局会社が立ち行きいかなくなれば、全員が被害を被るわけだから)
K-12(幼稚園~高校生まで)の教育機関に向けてはこれまでどおり無料サービスを提供するというあたりも良心的である。

下記の画像をクリックすると3つの新プランの詳細比較画面にとぶようになっている。

Ningの新料金体系

Ningの新料金体系

これから少し移動するので、もう少し後に筆者独自の見解を説明したいと思う。

ビジネスブログ100選  

この数日は「開国論」の執筆に集中していたが、昨日の朝ようやくひとまず書き終えることができた。これから一ヶ月は編集作業ということになりそうだが、だいぶ形になってきたということで自分でも楽しみだ。

さて、報告が遅くなったが先週にNINGが大きな改革案に着手したことをメディアが一斉に報道した。先月には共同創業者で、今年のダボス会議でソーシャルメディアについてのセッションをリードしたGina Bianchiniが長年務めたCEO職を去っている。

詳細はCNETとTech Cranchに詳しい
M・アンドリーセン氏設立のNing、人員削減と無料サービス廃止を実施へ @CNET
Ning、ドラスティックなリストラへ―40%レイオフ、無料SNS廃止 @TC(共に4月16日)

SNSホスティング・サービスのNingでCEOを長く務めたGina Bianchiniが去り、COOのJason Rosenthalが新しいCEOに任命されてから約1ヶ月になったところで、同社は大幅なリストラに踏み切った。ローンチ以来のセールスポイントだったSNSの無料ホスティングは中止され、既存の無料ネットワークは有料化するか別のホストを探すかを迫られる。Rosenthalはまた70人(40%以上)もの人員を削減することを発表した。

Rosenthalの全社員宛のメール[未訳] 〔うぃる訳はこちら

Ningはまた傘下のネットワーク運営者に対し向こう2週間以内に詳しい条件を示すとしている。

Rosenthalのメールでは「無料」と「有料」に大別されているが、Ningの有料プランにはさまざまな種類がある。現在、Ningの有料版にはサポート(サービス内容によって月額$10版と$100版がある)、カスタム・ドメイン(月額$5)、拡張ストレージ及び帯域(月額$10)、広告削除(月額$25)、ネットワークがNing上にあることを隠す(月額$25)などのオプションが用意されている。

このニュースの結果、Ning上のSNSの大部分はできるだけ安い有料サービスに移行するだろう。Ningが提供するのは通りいっぺんの移行ツールだろうから、他のホストにSNSを乗り換えるのは困難だろう。この方針変更に対して、ユーザーは皆、多大な時間をかけてニッチなSNSを育てきたのだから、強い不満の声が上がるのは避けられない。

大幅なレイオフももちろん深刻な事態だが、Ningには悪いニュースばかりではない。comScoreによると(下のグラフ参照)、トラフィックは依然として成長している。しかしNingはすでにトラフィックが増加しているだけではすまなくなっていた。相当額の収入がどうしても必要になっていたが、広告の売上ではまったく不十分だった。Ningはこれまでに$120M(1億2千万ドル)の資金を調達している。その際の会社評価額は、2008年4月には$500M(5 億ドル)、 2009年夏には$750M(7 億5000万ドル)だったと報じられている。(TC)

こちらのIT PROの記事では追加コメントが。

 Rosenthal氏は、後に出した報道陣向けのメッセージにおいて、「90日以内に、Ningのネットワーククリエーター向けの多種多様な新しいプレミアム機能およびサービス、新しいモバイルエクスペリエンス、そして新しいAPIセットを含む、次世代のNingをローンチする予定である」と説明した。また同氏は、Andreessen氏とともに「今回の人員削減の影響を受けるすべての人々が、他の企業において素晴らしい機会を見出せるように、尽力する」と付け加えた。

 Ningはこれまでにも、方向転換を伴う大きな決断をいくつか下している。2009年初めには、ポルノ向けネットワークを禁止したことにより、自らの決断でページビューの5分の1を失うことになったが、その数カ月後には、トラフィック数が回復し、同プラットフォーム上に作られたネットワーク総数が 100万件に達したと述べた。

(IT PRO)

オープンソーシャルの雄であるNINGが無料のSNSホスティングサービスの提供をやめるというのはまさに晴天の霹靂であり、NINGのクリエイターネットワークでも相当な騒動になっているようである、が、そこまでの改革案を断行するからにはプレミアムプランの会員に対してよりよいサービスを提供する準備をしているということなのだろう。NING上では無料でSNSが作れるようになっており、一つのメールアドレスに対して最大10のネットワークを構築することができる。しかし、アドレスさえ変えればこれがいくらでも増やせてしまうということで、実質ほぼ無限につくりたいだけ作れるようになっている。これらのうちいくつが有料サービスに移行するか分からないが、一番安いドメイン転送サービス($5)に移行する者がやはり一番多いだろう。次に広告削除($25)か。あるいは有料サポートを受けるプランを選択するのも賢いかも知れない。多くの場合特別な問い合わせを必要としないのだし。NINGはその分収益性がよくなるだろう。筆者も日系としては珍しいNING構築支援サービスを手がけており、またメンバーが200人に迫ってきている電子出版SNSその他10以上のネットワークの管理者でもあるので、今回のニュースはただごとではない。しかし、$120Mの調達に対しての評価額が$750Mというのは悪くないし、サービスのコンセプト自体はしっかりしているので引き続き有望だと思っている。(先日ツイッターの関連サービスTweetphotoが$260Mという大規模な資金調達をしたのとは対照的になってしまったが最近ツイッター上のあちこちで口論というか小競り合いが起こっているのをよくみかけるのが気になっている)

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