10 8月 2010
来る8月26日に六本木ヒルズで、現在筆者が参加しているビジネスプランコンテスト&クリニックの最終審査発表会が行われる。
当日は10分のプレゼンを審査会と発表会(公的場)の2回行うことになる。果たして、意力の受賞はなるか!? お近くの方はぜひともご参加いただきたい。
ちなみに発表会での筆者のプレゼン順番は2番目である。(審査会では1番目) 当日はゲストとしてジョン・ルース駐日米国大使とSBIホールディングス代表の北尾吉孝氏が挨拶をされる予定。
MIT-EFJ公式サイト上のイベント告知
<第10回MIT-EFJビジネスプランコンテスト&クリニック(BPCC10) 概要>
日程: 2010年8月26日(木)
開場: 14:00 受付開始
開演: 14:45
会場: 六本木アカデミーヒルズ40
(六本木ヒルズ 森タワー40階、東京都港区六本木6-10-1 )
参加費: 無料 (事前登録が必要です)
申込方法: 参加登録フォーム
※MIT-EFJ正会員の方、非正会員の方(初めての方)も必ずご登録下さい
申込期限: 2010年8月25日(水)20:00
MIT-EFJ正会員登録ご希望の方: 詳細はこちら
※正会員は会場において投票ができます。
※プレゼンテーションは日本語により実施されます<プログラム:予定>
14:45 – 15:00 開会挨拶
15:00 – 15:45 ビジネスプラン・プレゼンテ―ション(前半)
* JTS・東京農工大学 株式会社アイシンクス
「高精度手書き文字認識エンジンと応用アプリケーションの開発および商品化」
* SAKURA Internet USA, Inc.
「画期的な電子ブックストア 「Book Stream」」
* PIJIN co. Ltd./ 設立予定
「WEBサービスを多言語化+自然言語化するシステム「PIJIN」」
* 株式会社 精膳
「地域の未利用資源と最先端技術を融合させ持続的社会への挑戦」
15:45 – 16:00 質疑応答
16:00 – 16:05 休憩
16:05 – 17:00 ビジネスプラン・プレゼンテ―ション(後半)
* イデアリスタ株式会社
「新しい音楽体験を実現するMYTRACKsプラットフォーム」
* おひろめマルシェ
「手作り作家や愛好者の交流および作品の展示・販売を実現するWebサービス」
* 株式会社スカイミント
「ポチっと押すだけで、Taxiが来てくれてサッと目的地に着く「ポチタク」」
* 株式会社ウィルモア
「病気になりにくい体づくりの知恵が集まる場 「Yo-bo」」
* ワンビ株式会社
「盗難・紛失したパソコンの情報漏洩対策」
17:00 – 17:15 質疑応答
17:15 – 17:30 休憩+MIT-EFJ正会員投票
17:30 – 18:30 ゲストスピーチ* ジョン・V・ルース駐日米国大使 ご挨拶
* 北尾吉孝氏 基調講演 (SBIホールディングス代表取締役 執行役員CEO)
* 過去ファイナリスト報告18:30 – 19:20 最終審査結果発表、表彰式
19:20 – 19:30 閉会挨拶
19:30 閉会
21 7月 2010
今更ながら、一冊の本の(特に編集前の草稿を)ブログに落としこむというのは大変な作業だ。何が大変かというと、それは勿論読者に、ということだが。とにかく長い。実質10日ほどで書き上げた本だが、ワードで170ページをブログに落としこむと長いこと。これだけでもブログ出版の意義を理解してもらえるのではないか。クリックするだけでも一苦労だ。
さて、読者の中には律儀に順番に読んでくださっているかたもいらっしゃるようなので、お付き合い頂いていることに感謝しながら、この長い連載、「電子ブック開国論 草案」の目次を下記に掲載したいと思う。今掲載しているアマゾンの販売体験談はいわば私の原点といえるべき体験で、今読み起こしても生々しく、悲喜こもごもの感情が蘇ってくる。(日付は元のブログエントリーのもの)
序章電子出版元年に向けて
今はどういう時代なのか第1章電子出版とは何か
電子出版~画期的なビジネスモデル(11/21/09)
紙と電子、プラットフォームの決定的な違いを理解しよう
フォーマットについて
イーブックリーダーという専用端末
垂直統合型ビジネスモデルとは何か
価格と流通
著作権問題の行方
クラウドコンピューティングについて
2010/1/5 日経産業新聞に取材記事が掲載されました!
電子出版の歴史DTPが電子出版の草分けだった
電子出版社の役割とは第2章キンドルの衝撃とバカの壁
アマゾンとアップル二隻の黒船
1.Kindleとは何か
2.iPadとは何か
「KindleかiPadか」の議論からの脱却.
電子出版市場におけるマーケティング手法の特異性
iTunesの評価システムに潜む罠
コレクター心理はどう変化する?ブクログって知ってますか?
電子コンテンツ専用検索エンジンとディレクトリ
電子書籍専用の書籍コードの重要性
カギを握るゲームとIT業界
アメリカ発オリジナルコンテンツ販売体験記
電子出版で作成可能なコンテンツ例
SAMSUNGとSONYの新型電子リーダーとEPUBフォーマット(09/02/09)
KindleforStudents!? (08/20/09)
第3章理想の電子ブックリーダーとは
電子化の先例実は日本ではとっくに普及してた電子出版~発想の転換
イーブックリーダー比較表
こんな端末が欲しい
日本市場における電子ブックリーダーの新しい位置づけ(02/24/10)
<特別章>CES2010レポート第4章電子出版がもたらすソーシャルメディアの夜明け
ソーシャルメディアの勃興
近未来のソーシャルニュースネットワークを考える(1)(02/22/10)
近未来のソーシャルニュースネットワークを考える(2)(02/23/10)
ブログを書こう
ネットの未来を占うオープンからクローズドへ[ネットの開国談義とNING](02/0410)
電子出版の行方を知る上での重要なポイントとアゴラブックス(03/06/10)
ダイヤモンド事件が語るもの(ソーシャルメディアの脅威)
第5章日本はどう立ち向かうべきか
日本は電子ブック戦争に敗れ「た」のか? (01/13/10)
ガラパゴスをどう捉えるか
マンガ家は日本の財産だ
ソニーはどうした!?
クールな国、日本が抱える「多すぎる」問題
中国市場をどう見るか
キンドル(Kindle)が日本のクリエイターを支援する(07/25//09)
電子出版で甦る「早すぎた」ビジネスモデルPOPJNEOの例
キンドル早わかりマンガと森祐治氏(01/03/10)
世界を狙うならこのコンテンツだ!
クリエイターが創る未来第6章いつまでも続く開国談義出版関係者に物申す
-呉越同舟か船頭多くして、か?電子書籍協会はどこへ行く
佐藤秀峰氏の言動が出版界に及ぼした影響(ブログ1-18-10をもとに加筆修正)
電子出版は出版界を救うか?
編集者の活躍の場.
新書なんて要らない
編集作業や権利の兼ね合いで全部を掲載するかどうかはまだ分からないが要点は漏らさず掲載したいと考えている。実際に電子版および紙版で出版される「開国論」は、名物編集者Y氏によって編集されており、タイトルも少し異なる。今ようやく第2章が終わろうというところだから、まだまだ先は長い、どう考えても新ポータルでの電子版の発売のほうが早くなりそうだ (苦笑)
21 7月 2010
アメリカでKindleが注目され始めて、電子出版に関してまずは個人的に具体的なリサーチを開始して方針策定に時間を費やした。それから実際に筆者が運営するLMDPがKindle Storeでコンテンツを売り始めたは2009年の6月からだった。それからもうすぐ1年が経とうとしている(注:執筆時点)が、電子出版を取り巻く趨勢は一変したと言っていい。その間Kindle Storeでは当社のコンテンツが並び続け、少しずつではあるが売れ続けた。この章では実際に何が行われ、アマゾンとどういうやり取りが行われたのかという筆者なりの「激闘」の様子の一部をお伝えしたいと思う。
まずKindle Storeではインディーズ出版社でも(ISBNをもたない)オリジナルの電子出版コンテンツが発売できることに気づいた私は、何を売るのが短・中・長期それぞれの期間において有益かということを徹底的に試行錯誤した。その末に行き着いた結論はオリジナルコンテンツを作ることと、日本語のパブリックドメインの文学作品を販売することだった。目的はKindle Storeで販売しうるコンテンツの「質と数量」を見極めたかったからだ。古典文学作品の中では、筆者が敬愛する芥川龍之介と夏目漱石にまずは比重を置いた。そして、後に女性文学者を追加しようということで与謝野晶子作品に手をつけた。(後にアマゾンとのトラブルが発生して、一部の与謝野作品は結局アップしたのにも関わらずアマゾン側の「検閲」を通過せず未だに陽の目を浴びていない)そして、オリジナルのコンテンツについてはとっかかりで作りやすいものということで、日本語学習コンテンツを提供することを思いついた。筆者にとって気がかりだったのはアマゾンの返品のルールであり、レビューのシステムだった。
あまりにつまらない作品を世に出しても、とんでもない評価を最初につけられてしまうと元も子もなく、次に続かない。実際に一番最初に考え出したコンテンツは当社のデザイナーが突発的に作り上げた「ひらがな・カタカナ表」だったが後に酷評されてしまい、それからの売り上げは大きく伸びなかった。(しかし価格が安かったので最初の頃はそれでも当社の他の作品よりも売れていたくらいだ)学習コンテンツであれば1週間はキープするだろうと考えた。そして、やるからには自分がクオリティを保証できるものがいいということで、まずは初級者用の日本語学習コンテンツをつくろうとあいなったわけだ。
しかしここでは大きな前提条件があった。日本語のコンテンツが出版できること。ということである。ここで、筆者はアマゾンの規約を詳しく読んでみたがそこにはどこにも出版コンテンツに対して言語を規制するような記述はなかった。(後にこの方針は変更されることになる)AppleのApp Storeの例を見ても明らかだが、このような新規のB2Cのプラットフォーム上においては、ユーザーを獲得すると同時にコンテンツを潤沢に提供してくれるサードパーティ(この場合は出版社、App Storeの場合はデベロッパー)の存在が不可欠だ。筆者はアマゾンはここをもちろん理解していて、サードパーティが儲けられるような仕組みを構築することでKindle Storeを盛り上げKindleの売り上げを増やすことを考えているに違いないと踏んだ。 読みは当たるのか? 続きはコチラ
21 7月 2010
かつて大手CPUメーカー「インテル」の創業者であるゴードン・ムーア博士によって提唱された「ムーアの法則」で知られるCPUの急速成長によって支えられてきたIT業界とゲーム業界は密接な関わりがある。そして、ここに常に時代の先端を走る産業が大きく関わってくるが、それがアダルト産業である。インターネットというインフラを通じてこれら3つの業界はすでに熾烈な競争を続けてきて、昨日までの敗者が今日の勝者になるというような、まさに日進月歩の世界で揉まれてきた彼らはこの時代のビジネスを生きていくのに最も必要な要素の一つに「スピード」があることを決して疑わないだろう。つまり、裏を返すとこれらの産業の(そう遠くもない)過去と出方を伺えばこれから電子出版市場で起きてくるであろう事象も予測することができる可能性が大きいということだ。
ここで少し話はそれるが、筆者の分析についての見地を説明する上で、私が日本で初めて経験した社会人体験について少し触れさせていただく。筆者はアメリカの大学を卒業してからしばらくニューヨークでOPT (Optional Practical Training – 職業訓練) の期間を経て2000年の春に日本に帰国したのだが、郷里の大阪には筆者がそれまでに培った唯一のスキルといってもいい英語力を活かせる職場というのがあまり多くなかった。その後登録した人材バンクを経て記念すべき日本で(アルバイト以外での)最初の就職先となったのが、サードウェーブという秋葉系の自作PC用パーツショップを運営する会社だった。大阪は19歳まで筆者が生まれ育った土地であり、土地勘などの勝手はもちろんあったが社会人というのはこうも勝手が異なるものかと混乱することしきりだった。特にいわゆる帰国子女として日本に戻った際には就職活動中に、それが余計な偏見や本当ではない印象を与えているという実感があったが、もちろん私自身もアメリカの合理主義は自由な考え方に大きく影響を受けていたので、久しぶりに経験する日本の保守的な環境に自身を適応させることの難しさを感じながら生活を続けていた。
しかしこの最初の職場で本当に多くのものを得ることができたし、後に米国に帰ってくることができるようになったのもここの職場でできた人間関係によるものであるので、当時若い筆者を世話してくださった先輩や上司の皆さんには頭が上がらない。当時はまだインターネットもフレッツISDNが普及し始めていたところで、秋葉系という言葉も今ほどは認知されていなかった。しかしながら、この時代にはすでにビットバレーに代表される後の日本のIT系を支えるような人材が確実に育ちつつあったのである。この職場では購買職として貿易の仕事を学んだ後に、職場が閉鎖されて以後それぞれ新品と中古品を扱う別の店舗に移籍となり、それぞれの現場でかなりハードコアなメンバーに囲まれて研鑽の日々であった。この時に筆者の現在の知識を支える下地ができていたということはいうまでもないが、それ以外にもこの時にはすでに増殖中であった技術志向でよく言えば実力主義、悪く言えば「弱肉強食」的な論理がまかりとおる秋葉系の人たちについて学び接し方を覚えたというのが大きな収穫だった。その後転職したのは日本でも最大手にあたるPC周辺機器およびアクセサリーメーカーであるエレコムであったが、入社するまでにはすっかり周囲の目には自身がその「秋葉系」のカテゴリに属していたようだ。
話を元に戻そう。ムーアの法則は主にCPUのチップ性能についての理論であるが、コンピュータのスペックを作用する重要なチップの一つにグラフィックカード(あるいはビデオカードとも呼ばれる)のスペックがある。一般的にコンピュータ用語で「重要品」と呼ばれるのはCPU、マザーボード(基盤)、HDD(ハードディスク)といった代表的なパーツである。最近でこそ主流は省電力のCPUがもてはやされるようになってきたが、筆者が製造業に従事していた時はCPUではインテルとAMD、グラフィックカードではnVidiaとATIが熾烈なスペック向上合戦を繰り広げている時期だった。(もちろんこれは今でも続いている)
しかし消費者も徐々に事情が分かってくるようになり、新規にPC(マックでは自作が一般的ではないのでここではPCとするのが妥当だろう)を購入する際にはできるだけオーバースペックにならないように配慮するようになってきた。そうなるとメーカー側はできるだけ、スペックが過度ではないということを証明できる材料を準備するようになり、その売り込みに最適だったのがゲーム産業だった訳である。日本ではゲームというとコンソールと呼ばれる家庭用ゲーム機が主流であり、現在ではWiiやPS3、XBOX360がそれにあたるのは皆さんもご存知のとおりだ。これが欧米になるとPCゲームの比重が高くなり、特にアメリカにおいては実際に日常で起きている戦争についてのネガティブなイメージが少ないのか、それを支援するために敢えて支援的なムードを醸し出しているのか知れないが、FPS(FirstPersonShooter)という一人称視点型のシューティングゲームが盛んである。(かつてはカウンターストライクというのがその代表的な作品であったし、今ではコール・オブ・デューティやバトルフィールドなどが人気)
また部品のスペックが向上するとそこには必ず熱問題が発生するので冷却産業も大きな市場へと成長した。(筆者が後にアメリカに戻ることになった時も英語のKAMIKAZEと社名をもじってネーミングされた鎌風(カマカゼ)という独自のCPUクーラーを売り込むのがミッションだった。この時にいたサイズという会社は今では秋葉原系自作パーツメーカーの最大手の一つである)CPUにはソケットと呼ばれる独自のインターフェースがあり、ブランドによっても同ブランドのCPU世代間によってもこれが異なるため、常に研究開発を余儀なくされる。したがって製品寿命も非常に短い。アメリカで販売しようと思って下準備をしていたら、船便の貨物が到着する前に次のCPUがでて製品が陳腐化してしまったというような笑えない話が日常茶飯時の世界である。このただでさえ競争が激しい世界で、PCのスペックを恒常的にアップする必要があるためにパーツ業界から篤い支持を受けているのがこのFPSとMMORPG (Multi-Massive Online Role Playing Game)に代表されるオンラインゲームであった。 (続く)
7 7月 2010
とあるビジネスプランの検討会ではボロボロに酷評されたビジネスプランが、何故かMITエンタープライズフォーラムのビジネスコンテストではファイナリストにまでなってしまったというのは何とも皮肉なことだが、ビジネスプランは見せる相手によって評価が異なるのは当然の話だ。投資家向けのプランを投資をするつもりのない人に見せて意見を聞いても実質意味がない。投資というのは奇妙なもので、結局プランどうのこうのも大事だが相手は人を見ている。よく「ドライバー」という言葉が当てられるが、ベンチャービジネスを牽引していくにはとんでもない労力が必要なわけで、とどのつまりは「諦めない」人間であることが最低限の資質である。そして、あとは「必要なモノ(物質以外も含む)を何とかして手に入れる」力、つまりこのブログのタイトルでもある意力が必要なわけだ。逆にビジネスプランの数字については、見た目をきれいにまとめあげるのは簡単な話で、どれだけ実際に近いものを予測できるかが重要である。しかし、実際に近い数字を予測するのが大事なのか、目標として立てた数値に近づける努力をすることが大事なのかと聞かれれば、どちらも重要だが、後者がなければ前者の数字に何の意味もなく、最初は「最低限」と思ってたてた予測の数値をはるかに下回ることだってある。自身のビジネスを含めて、こんな例は枚挙にいとまがない。
というわけでこのビジネスコンテストは願ってもないチャンスであるから、しっかりとプランを煮詰めているところだ。
その過程で、現在意力メディア(おそらくこの名前が新しい会社の名前になりそうだ)が行っている事業を簡単な図にまとめてみた。(図をクリックで拡大)
ブロガーと一口にいっても、これからはただ書くだけのブロガー(アマチュア)と職業ブロガー(プロ)にもっときれいに別れていくだろう。後者はブログを書くことに決まった目的をもっているが、前者は書くことが第一義なので特別そこから先の目的をもたない。ソーシャルメディアというからには、継続した情報発信が必要なわけでこれを何の見返りも求めずに行うことは難しく、趣味の領域で続けることができる人間は限られている。アメリカでは職業ブロガーが数多く存在しているというニュースもあるが、日本ではまだまだ数が限られている。大手のメディア企業で働くものとは異なりそこには制約条件も多いので、(ただの自己擁護に取られるかも知れないが)市場やブロガーが成熟するまでの間は温かく見守る視線が必要とされていると感じる。
(参考リンク:プロのブロガーになりたいなら月にエントリー300本書け!)
6 7月 2010
これまでは、門外漢の立場から電子出版と既存の出版業界の関わりについての意見を述べてきたのだが、勿論出版業界にも素晴らしい功績があるわけで、それらを一気に否定する必要もないし、出版業界の中にいる素晴らしい人材と彼らの経験がなければこれから電子出版市場自体が成立しなくなる危惧もあるはず。先日「誰が電子出版を殺すのか?」というエントリーを書いたらあちこちで反響があったようだが、これは何も出版業界そのものに引導を渡している訳ではないし、私にそんな権利があるとは到底思えない。中抜きでなくなるべきは構造的に不要となった「ミドルマン」であって、「中身」ではない。
というわけで、今回は少し外からみた観点での出版業界の良い点を書いてみたいと思う。
まず、第一に出版業界には「活字」や「知識・教養」といったものについての能力やこだわりが尋常ではない人たちが溢れている。今ではもちろんコンピュータでも校正作業ができるわけで、昔に比べればその需要は減ってきた(でも逆に最近はコストカットのせいか、紙出版物でも以前見なかった誤字や脱字を多くみかけるような気がする)のかも知れないが、実際に書き物をしている立場からすると彼らの意見や知識は確実に参考になる。校閲作業なんかは事実の検証などをきっちり行っていくわけで、所詮ネットでの調べ物くらいしか頼ることのできない(私のような)にわかブロガーでは到底太刀打ちできないような知識のインベントリーをもっているし、漢字や修辞にも詳しい。彼らにとっては当たり前なんだろうが、これは素晴らしいことだ。(最近では日本にいる編集チームと会って、本筋の話の合間に歴史や文学の話をするのが楽しみなくらいだ)大体メールのやりとりがスムーズなのが助かる(笑)
若者を中心に起こっていると言われている、いわゆる「活字離れ」は要は国語(あるいは元々日本語がもつ美しさの部分)に対するこだわりの部分が希薄化しているということが一つだと思うが、出版業界はそれを頑なに守っている人たちだ)国語人間の私としてはただ賞賛するばかりである。
次に、彼らはそもそも出版をビジネスと割りきっていない節がある。かと言って、よく使われるような「慈善事業」をやっている認識でもない。傍から見ると彼らは「文化事業」の旗手であり、文学はどこまでいっても商売のタネというよりは「芸術」なのだろう。この観点があるから作家は救われる。数カ月、時には数年もかかって書き上げるような作品は費用対効果を考えてできるものではない。私のレベルですら、例えば「このブログを書くのに20分以内だと黒字だが、30分以上かけると赤字になるだけだ」などの損益分岐を考えていたらとてもじゃないが(特に創作系の)執筆なんてできない。(もちろん通常の作家にあるような締切りというのはニュース性を重んじるソーシャルメディアでは重要な訳だからそういうプレッシャーはある)文壇バーとかいう言葉があるが、(作家のような)芸術家はつねにパトロンに支えてもらって成り立ってきた。これはファインアートの世界を見ても明らかな通りだ。電子出版と声高に叫んでも、このような存在がいない限り、ほとんどの作家は作品を作り続けることができない。というか、むしろ新人なんて生まれることさえなくなってしまう可能性もある。ダイヤの原石を磨き上げる仕事をしてきたのは編集者であり、時折でてくるミラクルヒットで過去の打率を一気に帳消しできる可能性を知っているし、そういう存在が輝くきっかけをつくることに生きがいを感じている方々も多いだろう。この点で出版社の編集チームはある意味ベンチャー起業でいうところのVCみたいなものといってもいいのかも知れない。(費用対効果を考えずにただ可能性を信じて投入してくれるのだから、支援を受ける方としては有り難い)また彼らはとにかく「気が長い」ように見える。膨大な数の作品に目を通して、あぁでもないこうでもないと試行錯誤を繰り返してきたのだから当然なのかも知れないが、どちらかというせっかちな私は感嘆を禁じ得ない。 続きはコチラ
1 7月 2010
LAで活躍する日本人は意外と多いが、その多くは日本ではあまり知られていない。
そんな中でも、全米ネットワークのABCで日本人で初めてホストとして抜擢され、そして「インフォーマント」ではあの今やハリウッド一の高給取りと言われるマット・デーモン(ちなみに筆者は大ファンだ、勿論ゲイとして、という意味ではない)とも共演した神田瀧夢(ろむ)さんが先日初となる自叙伝「サムライスピリット」を幻冬舎から出版した。なんともおめでたい話題だ。先日のTEDxTOKYO 2010イベントでもロムさんのパフォーマンスは観客を感動の渦に巻き込んだ。
今朝日本にいる本人からの紹介文は下記
アメリカでがんばって
仕事をしていらっしゃるかたや
住んでいらっしゃる皆さんには特に
納得して頂ける中身になっています
とのことだ。(でももちろん日本にいるみなさんにもきっと勇気と希望を与えてくれる内容の本であるはず!)
ぜひみなさんも買って読んでみてください!私ももちろん購入します。(ロムさん、私の本ももうすぐ出るのでその時はぜひともよろしくお願いします 笑)
公式HPによるとどうやらメディア出演が目白押しらしい。あの「徹子の部屋」にもでる(7月20日)なんて、すごい!
>>> 神田瀧夢 プロモーションスケジュール <<<
5月15日 TEDx Tokyo スピーカー
5月30日 フジテレビ「Mr.サンデー」
6月7日 テレビ朝日「ワイド スクランブル」
6月10日 ABC朝日放送「NEWSゆう+」
6月15日 英語のスタンダップコメディー@渋谷 (撮影あり)
6月16日 フジTV 「とくダネ!」 出演
フジTV 「めざましTV」 出演
6月18日 テレビ朝日 「トリハダ秘スクープ映像100科ジテン3時間スペシャル」
6月19日 日テレ 週刊!うわさのニュース50 出演
7月4日 日テレ 「行列のできる法律相談所」 スペシャルゲスト出演
7月4日 フジTV Mrサンデー出演 22:55~(時間変更)
7月20日 テレビ朝日 徹子の部屋 出演
7月24日 日テレ 嵐にしやがれ 出演
7月26日 日テレ 世界まる見え! テレビ特捜部 出演
意力ブログは世界で活躍する日本人を熱く応援します!
12 6月 2010
下記のような内容が先日EBook2.0 Forumでアップされた。どうやらあちらでは「日の丸電書フォーマット」を巡って大きな議論になっているようだが、議論大いに結構である。鎌田氏はソフトウェアの専門家でもあるわけなので、氏の反論に期待したい。
鎌田様
プロジェクトの締め切りにしばらく追われておりまして、返信が遅れました。NBAファイナルは昨夜(11日)第4戦が終わり、レイカーズが負けて対戦成績が2対2のタイとなり、こちらではすごい盛り上がりを見せています。ネットで調べると、残り2戦あるLAでの両試合のチケットの相場は一席400~54000ドル(!)とすごく高騰しているのが分かります。不況とはいいながらも、あまりにもたくさん競争相手が倒れてしまい、勝ち組は儲かりつつある構図ができているのだと思います。と言ってもここLAの失業率は現在12.3%と依然高水準で、しかもこの数字はあくまでも「失業保険受給者」の数と言われています。アメリカにはビジネスで独立している人も多いですから、実質はこの倍あったとしても不思議ではないように思います。
前回の「パンドラの箱」へのコメントありがとうございます。たしかに神話の最後には「希望」が残っていたということですが、これはアップルによって、これまでマイクロソフトやGoogle、アドビといった巨大企業の主導で動いていた市場の流れが変わる可能性が見えたということ、そしてより「オープン」で革新的なコンテンツやプラットフォームが生まれてくるということではないかと思います。アップルの素晴らしいところは、市場の声を反映させながら自分たちのビジョンを確実に実現していくところで、スティーブ・ジョブズはまさしくアーティストだと思います。これからはこのように市場の声を着実に自身のビジネスモデルに反映させていくことのできる企業が生き残っていくことでしょう。激変が続く日本での政治も同じではないかと思うのですが。
“EBook2.0″がもたらす読書体験については私も同感です。私は去年の春から一貫して「電子出版の醍醐味は紙出版ではできなかったことを実現することだ」と力説してきています。これまでの印刷本のユーザーエクスペリエンスをそのまま踏襲するだけでは何のイノベーションも生まれません。PCとWebでできていたことをいまさら端末を変えてやりなおすだけでは、何の芸もないばかりか、長い目で見て出版の市場規模が縮小していくだけだと思います。。。 続きはコチラ
11 6月 2010
電子出版に関連したソーシャルメディア系ブログポータルでは最も権威と人気があるEBook2.0 Forumで連載されている鎌田氏との対談集「LAトーク」第三弾に対する返信を先程送りました。この返信では「パンドラの箱」という話から意外な結末が展開されることに。こういうのが対談ブログの面白いところですね。
もうすぐアップされると思いますので、お楽しみに。
LAトーク第三弾 鎌田氏のコメントを当ブログにて確認したい方は コチラ
10 6月 2010
昨年からアマゾンのキンドルストアで地道にコンテンツを販売してきて、電子出版の可能性に目をつけてから積極的に当ブログでも情報配信を行ってきました。
日本で電子出版の熱が高まったのは素晴らしいことだと思いますが、なんだか加熱しすぎていてよくありがちな「一過性のブーム」化してしまわないかというのが逆に懸念になるほどです。(ツイッターなんかはまさにそうだと思いますが)
さて、これまでの各社、各サイトの動きを見てきて、私なりの見解が見えてきたので、ここで日本の電子出版界に対して意力なりのソリューションを提示してみたいと思います。
これは一早く、私の見識と経験を尊重してくれたメディアタブレット社との協業によるものです。もちろん大手三社みたいな予算もコンテンツももってはいませんが、弱者には弱者としての戦略があるということを一つずつ形にして日本と世界に提案していきたいと考えています。アルファサービスが来週立ち上がり、月内にはベータに移行予定。今のところ7月上旬に公式サービスをローンチ予定。私の「電子ブック開国論」の電子版やその他の有名作家の新作コンテンツなどもそちらで披露していくことになります。
電子出版についてはただでさえ難しい話が、どんどん多角化していくことで複雑になってきていると思います。アメリカと日本を比較しても、違いはあちこちに見受けられます。ただでさえITにうとい作家のみなさんの多くはすでにディスカッションのかやの外にいるのではないでしょうか。きっと多くの読者も同じような思いで困惑しながら市場を見つめていると思います。
日米の大きな違いの一つはソーシャルメディアに対する日本の意識の低さ。これはジャーナリズムがしっかり根付いてこずに、「大本営」的報道を鵜呑みにして、容認し続けてきたことに起因すると考えています。紙媒体がメディアを強烈に後押ししてきたように、電子出版はこれからソーシャルメディアを力強くバックアップします。ブログやツイッターなどのツールを自在に活用して社会に良質な情報を発信していく書き手はこれから増えていくでしょう。キーワードは「脱大手依存」、そして「目利き」の重要性だと考えています。
もともと独立志向が極端に低い日本の社会において、ソーシャルメディアの成立は困難かも知れませんが、例えばこれからは朝日新聞社のような大手メディアを早期退職する書き手が、多くソーシャルメディアの業界に流れ込んでくることは十分に考えられます。しかし、ソーシャルメディアが市場から十分な認知とレスペクトを集めない限り、そこには常に資金的な問題がついて回り、多くのメディアは長くは続かないと思います。ソーシャルメディアと電子出版がこれから共同で戦っていく壁の一つが「ウェブは無料」という概念です。人気を集めるために無料で行う宣伝活動はもちろん必要ですが、そこには成果として測定可能な売上金額がどこかについてこなければなりません。
電子出版では誰もが簡単にコンテンツを作成して販売することができますが、それらのコンテンツから得られる収益で生活できる作家はごく一握りだと思います。しかし、それは現在もそうなのですから、何も変わったことではなく、要は作家がコンテンツを売りやすい環境をどう構築していくかということだと思います。
その為には、いわゆる「中抜き」行為がある程度は必要になってきます。これは、収益性を上げるためというよりは、風通しをよくして市場をよくするために必要な行為です。というのも読者の声に耳を傾けない限り、自分のコンテンツを市場で好評を博するものへと変えていくことは難しいからです。これにはまた違う側面もあり、書き手とファンとの間が近くなれば、その分心理的なインセンティブが働き、読者は作家を支持しようとするはずです。(コミケ繁栄の背景にもそういった現象はあると思います)
話をコンテンツに移すと、電子出版でとかくフォーカスされがちな、日本のコンテンツが性描写や暴力の描写でアップルに拒絶されたというような話は、アップルが横暴だとか日本が表現の自由を支持しているというのとは別のところで、実は日本という国が先進国の中でおそらく最も人権意識が低い国であり、多くのグレーゾーンによって支えられているということを浮き彫りにしているのだと考えます。文化的背景はもちろんあるでしょう、しかし日本はまず自分たちが他の先進国と多くの点で違っているということを認識しなければなりません。。。 続きはコチラ
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