19 7月 2010
現在MIT(マサチューセッツ工科大学)エンタープライズフォーラム・ジャパンのビジネスプランコンテスト&クリニックの真っ最中であり、主催者側が指名したメンターの方々と日夜ビジネスプランについての手ほどきを受けている。このコンテストの詳細を私は参加するまで知らなかったが、様々な業界の第一線級で活躍されるビジネスの大先輩の方々がコンテスト参加者(メンティーと呼ばれる)に対していろんな方法でコーチングを施すというこのコンテストはその知名度以上に本当に素晴らしいものだと実感している。今週末のメンタリングキャンプと呼ばれる「合宿」に参加するのが本当に楽しみである。
さて、そのメンタリングの合間に私の電子出版事業プランをメンタリングして下さっているメンターの方から、当ビジネスモデルの競合優位性についてを説明するという観点で、面白しい宿題を頂いた。それは名づけて「故郷のおばちゃんテスト」(笑)と呼ばれるもので、「メンティが夏休みに田舎に帰ったという設定で田舎の親戚のおばちゃんに自分のビジネスを説明するというもの」だ。
これについて、筆者なりの回答を準備してみた。対象は少し変えて、数年前に他界してしまった父方の祖母に向けて書いてある。個人的にはなかなかうまく簡単にまとめられたと思っているのだが、読者のみなさんはどうお考えになるだろうか。ということで、恥ずかしながらその文面を(一部修正して)公開させて頂く。 手紙の内容はコチラ
16 7月 2010
無事にマンハッタン出張を終えて昨日LAに戻った。同日LAは今年一番の真夏日だったのだが、NYCの暑さと湿気にすっかりまいっていた筆者にとってはカリフォルニアのカラッとした気候が本当にありがたく感じられた。
今回の出張は作家以外の本業であるコンサルティング関連の業務だったのだが、なんとかライセンシング契約をまとめられたのでホッとした。アメリカでのビジネスの際に契約をまくのに苦労する方は多いと思う。多くの場合は普通に弁護士に相談して、多くのコストをかけるのだが弁護士はやはりビジネスの専門家ではないので、契約書としてWin-Winのところに落としこむのには毎回それなりの苦労が発生する。筆者の場合はコンサルという立場でクライアントの法務費用を極力抑えつつ、ビジネス的な観点で取りこぼしや過剰なリスクを負わないですむような支援をすることがある。その中には契約に関して発生するクライアントの支払い(ライセンシングの場合はロイヤリティー、それ以外の場合はフィーなど)を極力抑えるというものもある。結果的には大きくコストを下げることができる。(現在は本業ではないため、主に既存クライアントを対象にお手伝いをさせて頂いている)
今回のプロジェクトは世界でもかなり知名度のあるアーティストが絡むライセンス契約なので、また公にできるタイミングで商品の宣伝も兼ねて当ブログでも成果を取り扱いたいと考えている。
さて、下記の画像は前回行った時にはなかった新しいタイムズスクエアの名所らしき広告。画面上方(?)に仕込まれたカメラにて実際に街頭にいる風景が映し出され、その手前にモデルの女性がでてきてポラロイド写真を撮るふりをする。ウォーリー(ちなみに英語ではWaldo)ならぬ うぃりー はどこにいるかみなさん見つけられるだろうか?(探さなくてもいいですが 笑)
16 7月 2010
1.Kindleとは何か
Kindleという画期的な端末が目指すところはごく端的に言うと書籍の代替品である。そして、対象としている顧客層は日常的に書籍を購入するいわばインテリ層である。語弊を恐れずに言えば、アマゾンがイメージした顧客層は恐らく30代後半から50代までの可処分所得が多い高所得者層で、そのような顧客の大半の多くは高学歴(修士以上の学歴保持者)だったのではないか。男女比についてはほぼ均等であったのではないかと思う。そして、さらに突っ込んで言えばこのような層はアメリカにおいて人種的には多くが白人あるいはアジア人だったと思う。アジア人は人種的にはマイノリティの類に属するが、専門職についている比率が他人種より高く平均収入が高いという特性がある。また彼らの多くはいわゆるTechSavvy、あるいはEarlyAdaptorと言われる人々で、新しいガジェットや先進的な技術に大きな抵抗を示さない人々である。
下記にKindleの特徴をまとめてみる
• 「垂直統合型」モデルの実現
• しっかりとしたコンセプト
– スマートフォンやラップトップPCとの明確な差別化
• 無料3G通信→どこでもコンテンツを購入できる
• 国際版の発売→世界100カ国以上に出荷
• コンテンツの数が豊富である。→48万超のコンテンツを保有
– AppStoreよりも簡易な出版社登録とコンテンツ出版システム
• バッテリーのもちがいい省エネ設計(モノクロe-inkの採用)
– 4時間の充電で4日間
• iPhone/PCforKindleアプリの存在(*後にKindleforiPadが追加)
– Kindleの販売数よりも多くのユーザへのアプローチを可能に
• 1アカウントに対して複数のデバイスを登録可能。
• ブログや雑誌を発刊して月次課金をすることができる。
• 機能を制限することで低価格を実現
– Kindle2=$259.00KindleDX=$489.00
筆者は社用と個人的にこれまでKindleを3台以上購入しており、テストマーケティングも兼ねて多くの人に見せたことがある。この画期的なデバイスを最初に見た者の多くは概ね大きく分けて二つの異なる反応をするのが興味深い。ほとんどの人がデバイスに触れた際に最初に聞くのは「バックライトがないのか?」と「タッチパネルじゃないのか?」という二つの質問である。そして、E-Ink特有のスローな画面表示切替を見て、自分には向いていないと判断するのが一つのグループである。その後しばらく考えて、実際には本にはそのような機能がそもそも無いことに気づき、一しきり納得した後に書籍の価格や実際にどれくらいのタイトルが入手可能なのかを確認して、購入を真剣に検討するパターンだ。筆者はこの二つのグループを注意深く観察して、一つの興味深い事実に気づいた。それは前者の多くが日常生活で書籍を購入しない人々であり、後者は実際に書籍をかなり頻繁に購入する人々だったのだ。ではアマゾンがターゲットとしている層はどちらだろうか?お分かりの通り、それは明らかに前者である。アマゾンの本業はどこまでいっても「本屋」なのだから自明の理である。本屋を通り越して今やアマゾンは何万という商品点数を誇る世界一のオンラインストアになってしまっているが、彼らは本屋であるという自認を崩してはいない。そして、本を買う顧客のことを世界で一番理解しているのが彼らであるということも決して忘れてはいけない。(筆者も含め)本を日常的に読む人にとって、本を読むのに「明かり」が必要なのは当然のことだ。暗がりで読もうとして目を凝らせば目が疲れるし、視力が下がる懸念もある。そんなのは何十年という読書の習慣を身に着けているものにとっては当たり前の事実であり、電子書籍端末を見て一瞬脳内がトリップしたとしても、その事実にすぐに立ち返ることができるので利点を理解できるのである。実際に彼らはキンドルをこよなく愛しているし、iPadには見向きもしない者が多いだろう。
11 7月 2010
新たに立ち上げる電子ブックストア “Book Stream”の立ち上げ作業に追われている間にキンドルDTPがパブリッシャー向けのコントロールパネルをリニューアルしていたようだ。新しい画面はBOOKSHELF、REPORTS、COMMUNITYとなり、以前とはそれほど大きくは変わらないがフォントなどのGUIが少し向上されて見やすくなっている。
FAQなどはこのコミュニティ画面に統一された様子。以前がかなり不親切だったので、少しはフレンドリーになったという感じ。
11 7月 2010
電子出版市場においては、これまでの出版界とまったく違った勢力図が描かれる可能性が高い。それほどまでに出版界は今激震しており、多くの会社や人物が振るいにかけられているところだ。(出版社のリストラ事情に関してはたぬきちの「リストラなう」日記などのブログに詳しい)電子出版の波は周到に準備されてきたものであり、過去に何度か進化をしては市場に阻まれるという経緯を経てきているものであるから、太平洋を挟んだアメリカ大陸で起きた地震の余波が津波になって現れてきているように予測可能だったのにも関わらず、日本の出版界を見ていると、地震そのものに急に見舞われたような蜂の巣をつついたような大騒ぎ。上を下に、とはまさにこのことか。一方IT産業においても、Web2.0という実体がよくわからないBuzzWordが盛んにもてはやされた時代から、結局「ウェブは儲からない」という結論に達する企業も多くなっている。動画配信大手の一つで無料視聴をモデルを貫いてきたVeohが先日会社再生の手続きに入ったというニュースは記憶に新しく、一方のHULUという完全に権利問題をクリアーした動画サービスが拡大して一人勝ちの状態になりつつあるのを見ても、もはやウェブの世界でもやっぱり「Contents is King=コンテンツが王様」だったという原点回帰がみられるわけである。
ツイッターは今まさに日本でも多くのファンを魅了し始めているところであるが、この会社も実は立ち上げ当初は苦戦し続け、経営状態は思わしくなかった。そもそもツイッターもYouTubeらの新興IT企業の登場経緯と同じように基本的には収益構造を伴わない無料モデルであり、この4月になってようやく広告モデルという収益ベースのモデルを発表したばかりである。(ちなみに4月中旬の時点でツイッターの利用者は1億人を突破し、米Yahoo!の検索回数を上回ったというニュースが報じられた)このツイッターが盛り上がり始めた背景には、政治のキャンペーンなどもあるかも知れないが、要はこのような原点回帰の動きをツイッターがサポートするということに注目し始めた企業群(例えば日本でいうところの広告代理店のようなところではないか)が「リアルで」有名な人物たちをツイッターを用いてPRし始めたからだ。有名トークショーの名物ホストであるオプラ・ウィンフリーが100万人以上のフォロワーを集めたことでツイッターは一躍有名になった。ツイッターは一見Web2.0っぽい先進的なシステムなように見えて、実はフォロワーを増やすのに最も効果的なのは「知名度があること」、であるところがポイントだ。つまり、もともとファンを多く抱えている人物がツイッターのフォロワーランキングではどうしても優位に立ってしまう。(詳しくは後ほど紹介するツイッターのフォロワーランキングを参照して頂きたい)これはいうなれば当然の帰結であるが、とりもなおさずTVや新聞、雑誌などのオールドメディアとのタイアップが大きく功を奏するということだ。これまで流行ったオンラインサービスの大半はその新鮮さがネットで話題になったものが多く、ヒーローは新たに登場することが多かったのだが、ツイッターはうまく既存のメディアと「セレブリティ」と呼ばれる有名な人物を取り込むことで見事に復活を果たしたのだ。
話を戻そう。ツイッターで証明されたのは「コンテンツが王様」だということだ。ツイッターやブログは人間そのものが商品である。電子出版の場合も同様に、「中身」が勝負になることは目に見えている。前述のSEOも結局は検索エンジンに対抗する手法を吟味することではなく、中身を充実させることが最良の方策であるという帰結に達しているマーケティング会社は多い。(逆に言うとそれほどグーグルは手強い相手だと言えるということだ)そして、コンテンツを探し始めたウェブ企業の目に飛び込んできたのが、この電子出版の新しい波なのである。書籍の歴史は751年のタラス河畔の戦いの際に発明されたとされる製紙法まで遡ることができると思うが、大きく譲って15世紀半ばのグーテンベルグによる活版印刷術に触発された聖書の普及まで時期をずらしたとしても、その歴史は500年以上と長く、電子ゲームやコンピュータの歴史などとは比較にもならない。つまりそれだけのコンテンツを世界中にもっているということで、いわばこれらの「売れ筋」コンテンツを掘り起こすことが世界市場における大成功のヒントとなり得るのだ。
つい先日発売されたAtomic Antelope 社の“Alice for iPad”を意力ブログでも取り上げたが、これはルイス・キャロルの手による有名小説にインタラクティブな「遊び心」を加えたものであり、ちょうど同時期に公開される映画とのタイアップ効果を期待して作成されているに違いない。(内容はどちらかというと、子供向けのものだが、Eye Opener いわゆる目覚まし効果としてはてき面だったに違いない)日本はこの点でいうと、世界で最も古いといえる成熟したマンガ文化をもっており、膨大な数の蔵書とそれを支える漫画家や編集者というクリエイター、そして老若男女を問わない購買層がいる。ここに日本の勝機があると思うのは筆者だけではないだろうが、その具体策については後ほど詳しく説明することとする。
ではこれから既存の出版社にとって代わる、あるいは既存の出版社に追加される電子出版社の役割とはどういうものだろうか。これを分かりやすく説明したのが下記の図だ。(図割愛)
電子出版社の役割は大きく言うと下記の5つ。
1.著作者との権利交渉
2.作品をつくりあげる
3.作品を所定のフォーマットに落とし込む
4.作品を売り込む
5.収益を分配する
このうち、1と2はもちろんこれまでの人脈と交渉力、そして経験が十分に活かされる分野であるので問題はない。(もっとも電子化の権利交渉についてはほとんどゼロベースからスタートすべきであるので一部では難航するかも知れないが)問題は3と4である。所定のフォーマットに落とし込む作業をするからには電子出版のフォーマットに詳しくなければいけない。もちろんこれは人を雇えば済むことなのだが、現状電子出版といっても統一スタンダードがあるわけではなく、アマゾンとアップル以外にも数多くの電子出版チャンネルがあり、それを難しくさせるのが言語の問題である。(世界にある電子出版チャンネルのリストを巻末に添付)そして、売込みにも問題がある。なにせ今回は売る場所がこれまでのような一般書店ではなく、通すべき取次ぎもない。そして前述したように宣伝するべき場の比重もオンラインがどうしても強くなってしまう。(紙版がない電子オリジナルコンテンツの場合は推して知るべしだ)これまでの売り込み手法も通じなくなってしまうので、出版社は新しい道を模索するしかない。ここがふるい落としの一つのポイントになるのだが、それほど出版業界の人間はアナログ志向を貫いてきたようなのだ。秋葉自作系を含むPC業界とオンラインゲームの業界を経験してきた筆者からすると(大変失礼な話だが)驚くほどにITのリテラシーが低い人が多い。
ここで登場するのが新しい「ディストリビューター」あるいは「エージェント」という存在だ。立ち位置的には出版社とキンドルストアなどの販売プラットフォームの中間に位置する彼らの仕事は出版社からコンテンツを預かって、希望のプラットフォームへの配信をすることだ。これにより、デジタルな部分はディストリビューター、アナログな部分は出版社、という安易な線引きが可能になるので救われたと思う出版関係者も少なくないのかも知れない。もっとも適切な業者を選ぶという難しさがあるのだが、今回の場合はかなりのスピードと市場を見通す眼力が要求されるので、自社にそのような体制を構築するのはよほど先見の明のある経営者をトップに据えている出版社でなければ難しいだろう。この点で、会社の代表が「クール革命」のようなすばらしい本を上梓している角川書店などは有望かも知れないが、これまでに電子書店プラットフォームを有していながらろくろく向上させることもしなかった、というかできなかった某書店などはさっさと利益を割譲してよく状況を理解している人物に判断を委ねるべきだろう。
9 7月 2010
一昨日オフィスの裏にいきなり現れたカモの親子。どうやらどこかに移り住む間に道に迷い込んだらしい。
トーランス市のいくつかの部署に連絡して保護してもらおうかと思ったが、「我々はカモは助けにいきません」と冷たい一言。うちの新オフィスの周りは袋小路だから、なんとか外に誘導してあげたんだが、その後どうなったんだろうか。。無事に、恐らく目的地だと思われる近くの貯水池に辿りつけていればいいんだけども。
(7/12更新)
動画もアップ!
8 7月 2010
電子出版の歴史 DTPが電子出版の草分けだった
コンセプトの壁
EBook2.0Forumという電子出版に特化した情報ポータルがある。このサイトを運営しているのは鎌田博樹氏であるが、彼はもともとソフトウェアエンジニアであったそうだ。もともと筆者が電子出版に関して日本の市場での関心度を探るためにオンラインリサーチをしている際に何度か出くわしていたのだが、昨年の暮れに友人で私のビジネスにおけるメンターでもある吉田宣也氏(ウイルスバスターで有名な日本トレンドマイクロの創業者で、元SBI投資顧問。現在はMIT日本エンタープライズフォーラムの理事を努めるかたわらエンジェル活動に従事されている)からサイトを改めて紹介頂き提携の可能性を提案された。改めて内容を読んでみると、鎌田氏の見識が非常に深くエンジニアとしての専門家的な見地が明確なことに感銘を受け、筆者のほうからコンタクトさせて頂いた。
最初に東京でお会いして歓談が実現したのは2009年12月のことだった。折しもKindleの国際版によって日本でも電子出版の熱が高まり始めてきた時期であった。その際に知ったのだが、鎌田氏は自身でも数作の著作を出されながら、電子出版の行方を長く見守ってきたいた方で実は日本における電子出版の波は1980年代後半から1990年代に一度来ていたのだという。これがDTP (DesktopPublishing) の波だった。確かに電子出版というと何だか新しいもののように思われがちだが、実は情報が掲載された記事なり書籍を電子版に落とし込むという作業はすでに編集などの作業で行われてきたことであり、Adobe社の規格であり今や使用しているコンピュータのOSを問わず、世界的に通じるフォーマットの一つであるPDFというフォーマットなどはそれを紙に印刷するのが主眼となっているから軽視されがちなだけで、実際は電子出版といってもいい。今回の波が大きな反響を呼んでいる理由の最たるものはインターネットという万能インフラの世界的普及であり、これを通じた画期的な「垂直統合型」プラットフォームというビジネスモデルを実現してきたアマゾンやそれに先駆けて音楽や映像業界で成功を収めてきたアップルという米国の「黒船」の存在であったのは言うまでもない。
後ほど理想の電子ブックリーダーを提唱する際にも触れるのだが、このようにコンセプトというのは重要なもので、電子出版とか電子ブックリーダーという聞き慣れない単語を前にするとどうしても尻込みしてしまうような場合にも、実はすでに日常生活で慣れ親しんでいるものの別名称であると考えたら急に重い心理的なとっかかりが無くなって、構えずに向かい合えるようになるということは多い。ここでの教訓とは一歩下がって全体を俯瞰(これは禅の心に通じるものがあると思うが)してみることの重要さだが、これらを理解することはまた電子出版がこれからもたらすであろうクラウド印刷(あるいはオンデマンド印刷)といった領域にも通じることだと思うし、フォーマットの世界で実はHTMLに精通しているウェブデザイナーが作業には向いているということや、編集者の力が電子出版市場では力を失うばかりか逆に復権してしまうことも有り得るというような柔軟な発想につながるのである。初対面で意気投合した我々は、日本において、今度こそ電子出版を普及させるために共闘をすることを誓い、ポータル上や後に筆者が運営することになる電子出版SNS などを通じてお互いに支援していくような関係となったのは自然な流れであった。
8 7月 2010
2010/1/4 日経産業新聞に取材記事が掲載されました!(この内容は2010年1月5日のブログエントリーを転載したものです)
先日取材を受けた日本経済新聞の記者の方から、1月4日付けで日経産業新聞に私の取材記事が掲載されたという連絡があった。日経産業新聞は日経グループ紙の中でも個人的にはかなり好きな新聞であり、製造業にいた時には企画や開発の面で参考になったことが多かった。この点で紙面に何らかの形で貢献でき、かつそれが閉鎖的な出版業界が電子出版に対する意識を変えていく風穴を開けることにつながっていけば嬉しい。
送ってこられた添付記事を確認すると、確かに社名も私の実名もきっちり載っていた。それほど大きな記事ではないが、インパクトは大きかったみたいでブログへのアクセスも急速に伸びている。取材の問い合わせも最近急にあちこちから入るようになったし、やはり今年は電子出版元年となるのであろう。これまではあまりメディアへの露出というのは控えるようにしていたのだが、電子出版2.0の第一人者という自負のもとにこれからは積極的に取材などにも応じていきたいと考えている。これには大義がある。それはいわゆる垂直統合型のモデルでは、他のビジネスモデルにまして上流にいる「モノづくり」をしている人間のアイデアが、下流にいる人間の行動と潜在的な可能性を抑止することにつながってしまうからである。つまり電子リーダーを作っている人たちの意識を変革していかなければ、私が意図しているクリエーター支援、ユーザー作成のコンテンツの増加による電子出版市場の裾野開拓という目標が達成されていかないのだ。(かつてのMP3プレーヤー市場を想起して頂きたい)
そういう意味で現在抱えている某PCメーカーとのコラボによる電子ブックリーダーのODM開発のプロジェクトなどはまさに、願ったり叶ったりの状況である。今アマゾンが手薄なアジア市場は莫大な人口を抱えている市場であり、私の秘策でこの市場で覇権を握ることができると考えている。そしてそこから欧米のユーザーを取り組んでいくのだ。やれ、リーダー市場はレッドオーシャンだとか、パブリックドメインがどうだとかこうだとか、そういう話にこの莫大なポテンシャルをもつ市場を限定させていく必要はまったくないのだが、まだまだ一般的にはそういうメディアのありきたりな論調がまかりとおっている雰囲気がある。横文字文明の企業が複雑な漢字文明の市場に取って入るのは容易なことではない。そしてアジアで大量の流行コンテンツを有しているのはやはり日本なのだ、日本こそコンテンツ文化の旗手としてまずはアジアで、そして欧米に対してリーダーシップを取っていくべきだというのが私の持論であるし、他の極東アジア諸国の方々と会話をした経験からも恐らくそれを嘱望していると思う。(極東アジアの島国が世界第二位の経済大国に登りつめたその実績は、アジアの諸国のいわば誇りである。これからは経済的には落ちていく一方だと思うが、文化的に日本は先進国家としての振る舞いを続けていくことで当面はその存在意義を確固たるものにできるはずだ)
去年から電子出版市場をにらんできた私に言わせると、市場は間違いなく拡大の一途であり、電子出版はコミュニケーションやいわゆる「表現の自由」を強力に、かつボーダレスに実現する可能性を帯びている。例えば、今月の当社のコンテンツの売れ行きがそれを如実に物語っている、元日に家からネットで売上を確認した際に驚いたのだが1日だけで先月の売上の7分の1くらいのセールスが立っていた。昨日は仕事始めだったが、それまでにも売上は順調に増加し、本日の時点でなんと対先月比で35%近い売上になっている。
データは嘘をつかない。またこれについては、現在コンテンツ案が列を成して待っている状況で、コンテンツの数が先月から比べてほとんど増加していないという背景もある。
(それでも売上が伸びるのだから、今アイデアとしてあがっている数千のコンテンツがキンドルストアを始めとするオンライン書店の書棚に並ぶ日が待ち遠しくて仕方が無い)これから市場が成熟していくにつれて、他にも市場ができてくるに違いないが、当社はコンテンツホルダーとしてそれぞれのストアに展開していくことができる。売上は累乗増加となっていく。自前の電子ブックリーダーを開発する意図も、そこに我々のような出版社がいることのメリットがとんでもなく大きいからだ。(ハード開発の減価償却はどうするんだという声も聞こえてくるかと思うが、勿論これについても背後のプランとして世界最大の市場に展開する案がきっちり練りこまれている、提携先となる企業も世界一の携帯キャリアである。世界一の人口を要する中国市場以上にブックリーダーを販売できる市場など存在しえない)今月日本に行って、メディアの取材のみならずコンテンツ提供およびプラットフォーム提供のパートナー(中には超大物もいて、この方とのコラボを私は嘱望している)と会う予定で現在スケジュールを調整しているのだが、徐々に全貌が明らかになる日が近づいており待ち遠しい限りだ。
少し話はそれるが、巷では(WSJをソースとする)アップルが近日公式リリースするとされている新型タブレット機器についてのニュースが持ちきりだ。デザインはかっこいいが、値段が1000ドル以下とかなり高いものになるとか。私は現時点でこのようなタブレット機がどれだけ市場で売上を上げるかについてはまだ明確なアイデアをもっていない。
というのも、昨今盛り上がっているネットブック(もっとも常時ネットにつながらない、いわば「似非ネットブック」も多いのだが)の市場が熟成する前にこのタブレットとぶちあたってどちらかが消えてしまうのではないかという懸念があるからだ。大型タブレットは持ち運ぶには携帯電話よりもかなり不便であるので、常時持ち歩くスタイルにしようとすると、持ち運ぶカバンが変わるなどライフスタイルの変化を余儀なくする場合があるかも知れない。また、iPhoneユーザーが並行してタブレットを使い始めると、なんとなく使用目的が一部重複するようにも思うし、意外に便利であれば今度はネットブックだけでなくラップトップ市場まで潰してしまうのではないか。デスクトップは最近アメリカで流行しているBoxeeなどの影響で、文書作成作業目的以外には使われなくなってくる傾向がある。(すでにHDTVとインターネットの融合はかつてMSが狙っていた「MediaCenter」の地位を完全に奪いつつある。AppleTVのハックツールであるATVFlashとBoxeeの組み合わせはTVでTwitterやFacebook、あるいはiTunes以外のメディアセンター(VEOH、JOOSTやNetflixなど)へのアクセスを容易なものとし、何より操作性があの単純なアップルTVのリモコンでできてしまうほど快適なのだ)いずれにせよ、このタブレットPCならぬタブレットMacにも電子出版機能が搭載されるというから、こちらも期待できる。(個人的な希望としてはAppStoreとは別枠でPublisher枠を設けてもらいたいし、印税をAmazonのそれ(35%)よりは高いものにして欲しいと思っている)
7 7月 2010
とあるビジネスプランの検討会ではボロボロに酷評されたビジネスプランが、何故かMITエンタープライズフォーラムのビジネスコンテストではファイナリストにまでなってしまったというのは何とも皮肉なことだが、ビジネスプランは見せる相手によって評価が異なるのは当然の話だ。投資家向けのプランを投資をするつもりのない人に見せて意見を聞いても実質意味がない。投資というのは奇妙なもので、結局プランどうのこうのも大事だが相手は人を見ている。よく「ドライバー」という言葉が当てられるが、ベンチャービジネスを牽引していくにはとんでもない労力が必要なわけで、とどのつまりは「諦めない」人間であることが最低限の資質である。そして、あとは「必要なモノ(物質以外も含む)を何とかして手に入れる」力、つまりこのブログのタイトルでもある意力が必要なわけだ。逆にビジネスプランの数字については、見た目をきれいにまとめあげるのは簡単な話で、どれだけ実際に近いものを予測できるかが重要である。しかし、実際に近い数字を予測するのが大事なのか、目標として立てた数値に近づける努力をすることが大事なのかと聞かれれば、どちらも重要だが、後者がなければ前者の数字に何の意味もなく、最初は「最低限」と思ってたてた予測の数値をはるかに下回ることだってある。自身のビジネスを含めて、こんな例は枚挙にいとまがない。
というわけでこのビジネスコンテストは願ってもないチャンスであるから、しっかりとプランを煮詰めているところだ。
その過程で、現在意力メディア(おそらくこの名前が新しい会社の名前になりそうだ)が行っている事業を簡単な図にまとめてみた。(図をクリックで拡大)
ブロガーと一口にいっても、これからはただ書くだけのブロガー(アマチュア)と職業ブロガー(プロ)にもっときれいに別れていくだろう。後者はブログを書くことに決まった目的をもっているが、前者は書くことが第一義なので特別そこから先の目的をもたない。ソーシャルメディアというからには、継続した情報発信が必要なわけでこれを何の見返りも求めずに行うことは難しく、趣味の領域で続けることができる人間は限られている。アメリカでは職業ブロガーが数多く存在しているというニュースもあるが、日本ではまだまだ数が限られている。大手のメディア企業で働くものとは異なりそこには制約条件も多いので、(ただの自己擁護に取られるかも知れないが)市場やブロガーが成熟するまでの間は温かく見守る視線が必要とされていると感じる。
(参考リンク:プロのブロガーになりたいなら月にエントリー300本書け!)
6 7月 2010
少し前のエントリーで、末娘と一緒に広告のモデルを初体験した話を紹介したが、よく考えたらその後どうなったのか聞くのを忘れていた。ちょうど紹介してくれた友人に聞いてみたら、どうやらとっくの昔に公開されていたらしい。GWくらいにあちこちで出ていたという話だから、もしかしたら読者の中でも目に入った方がいるかも知れない。と、いうわけでどの広告だったかを明かします。さて、意力はどこに!?
分かりましたか?え、小さくて判別できないって?だからこういう風に書いたんです (笑)
というわけで、媒体がリリースされるのをお楽しみに、もっとも見ても我々だとは分からないはずだが(笑)
(注:動画CMの方には出演していません)
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